今週金曜日の大阪でのコンサートに向けて、
(2008年10月17日(金)19:00 大阪倶楽部4階ホール)
http://music-kansai.net/manage04.html#info6
ベートーヴェンの《ヴァイオリン・ソナタ第9番“クロイツェル”》
を準備中なのですが・・・
私にとって今回が初となる“クロイツェル”、
この大きな作品を前にし、まさに
「興奮」と「感動」と、それから「必死さ」に
取り巻かれながらの練習といったところです。
「ヴァイオリン・ソナタ」のジャンルにおいて
非常に重要な地位を占めていると言われるこの作品は、
まさにその通りであろうことを実感するばかりです。
「作品47」という番号のついたこの《ソナタ》は、
1803年、ベートーヴェン32歳の頃に書かれたようです。
この「書かれた時期」というのが
とても興味深いところなのです。
前年には、
中期のベートーヴェンの意欲が漲る(みなぎる)様を
よ~く伝えてくれる作品として《ピアノ・ソナタop.31》の
三連作があります。
●《ピアノ・ソナタ第16番 ト長調 op.31-1》
●《ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 op.31-2 “テンペスト”》
●《ピアノ・ソナタ第18番 変ホ長調 op.31-3》
さらに、今調べてみて驚いたのですが、
同じく三連作のような形で、《ヴァイオリン・ソナタ》が
これと同じ年(1802年)に書かれているようなのです。
●《ヴァイオリン・ソナタ第6番 イ長調 op.30-1》
●《ヴァイオリン・ソナタ第7番 ハ短調 op.30-2》
●《ヴァイオリン・ソナタ第8番 ト長調 op.30-3》
そして後年(1804年)を見てみますと、いよいよ
ベートーヴェンにとっての「傑作の森」(ロマン・ロランが命名)
と呼ばれる実り多い時期に突入し、
●《交響曲 第3番 変ホ長調 op.55“エロイカ(英雄)”》
●《ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 op.53“ワルトシュタイン”》
そして、
●《ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 op.57“アパッショナータ(熱情)”》
が軒並み連なります。
今回、《ヴァイオリン・ソナタ“クロイツェル”》を
勉強しながら思いますことは、
この作品が、まさにこの「傑作の森」とその前年の
《ヴァイオリン・ソナタop.30》や《ピアノ・ソナタop.31》との、
時期的な意味においてのみでなく、音楽的な意味においても、
「その中間に位置する曲」であることを、
強く実感するのでした。
例えば、
《クロイツェル》I楽章なぞは・・・“熱情”という名がついても
よいのではないだろうか、とすら思える“熱い”音楽。
「イ長調A-Dur」のAdagioゆっくりとした序奏に始まるこの曲は、
それだけでも、巨大な交響曲でも始まるのではないだろうか!?
という予兆すらにおわせる雰囲気があります。
(ベートーヴェンの《交響曲》を見てみますと、その多くが
このような「ゆっくりとした序奏」で始まります)
そして始まるベートーヴェンのテンペラメント(情熱)が、
「Presto」の二分の二拍子・・・
ここからが、「ソナタ」の本領発揮です。
走り出したら、もう止まらない!?
この《クロイツェル》の第I楽章と、
《ピアノ・ソナタ“熱情”》の第I楽章とには、
類似性・相互関係が見え隠れして仕方がありません。
(つづく)
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以下のアドレスまでメッセージをお送り下さい。
PianistSegawaGen@aol.com
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ベートーヴェンの《ヴァイオリン・ソナタ第9番“クロイツェル”》
を準備中なのですが・・・
私にとって今回が初となる“クロイツェル”、
この大きな作品を前にし、まさに
「興奮」と「感動」と、それから「必死さ」に
取り巻かれながらの練習といったところです。
「ヴァイオリン・ソナタ」のジャンルにおいて
非常に重要な地位を占めていると言われるこの作品は、
まさにその通りであろうことを実感するばかりです。
「作品47」という番号のついたこの《ソナタ》は、
1803年、ベートーヴェン32歳の頃に書かれたようです。
この「書かれた時期」というのが
とても興味深いところなのです。
前年には、
中期のベートーヴェンの意欲が漲る(みなぎる)様を
よ~く伝えてくれる作品として《ピアノ・ソナタop.31》の
三連作があります。
●《ピアノ・ソナタ第16番 ト長調 op.31-1》
●《ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 op.31-2 “テンペスト”》
●《ピアノ・ソナタ第18番 変ホ長調 op.31-3》
さらに、今調べてみて驚いたのですが、
同じく三連作のような形で、《ヴァイオリン・ソナタ》が
これと同じ年(1802年)に書かれているようなのです。
●《ヴァイオリン・ソナタ第6番 イ長調 op.30-1》
●《ヴァイオリン・ソナタ第7番 ハ短調 op.30-2》
●《ヴァイオリン・ソナタ第8番 ト長調 op.30-3》
そして後年(1804年)を見てみますと、いよいよ
ベートーヴェンにとっての「傑作の森」(ロマン・ロランが命名)
と呼ばれる実り多い時期に突入し、
●《交響曲 第3番 変ホ長調 op.55“エロイカ(英雄)”》
●《ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 op.53“ワルトシュタイン”》
そして、
●《ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 op.57“アパッショナータ(熱情)”》
が軒並み連なります。
今回、《ヴァイオリン・ソナタ“クロイツェル”》を
勉強しながら思いますことは、
この作品が、まさにこの「傑作の森」とその前年の
《ヴァイオリン・ソナタop.30》や《ピアノ・ソナタop.31》との、
時期的な意味においてのみでなく、音楽的な意味においても、
「その中間に位置する曲」であることを、
強く実感するのでした。
例えば、
《クロイツェル》I楽章なぞは・・・“熱情”という名がついても
よいのではないだろうか、とすら思える“熱い”音楽。
「イ長調A-Dur」のAdagioゆっくりとした序奏に始まるこの曲は、
それだけでも、巨大な交響曲でも始まるのではないだろうか!?
という予兆すらにおわせる雰囲気があります。
(ベートーヴェンの《交響曲》を見てみますと、その多くが
このような「ゆっくりとした序奏」で始まります)
そして始まるベートーヴェンのテンペラメント(情熱)が、
「Presto」の二分の二拍子・・・
ここからが、「ソナタ」の本領発揮です。
走り出したら、もう止まらない!?
この《クロイツェル》の第I楽章と、
《ピアノ・ソナタ“熱情”》の第I楽章とには、
類似性・相互関係が見え隠れして仕方がありません。
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