音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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(終)◆《さくら横町》に魅せられて ~ 「独り言」の「語りかけ」 ~ 終わり

2008年08月08日 | 中田喜直《さくら横丁》
歌曲《さくら横町》二つ目の中間部「C」は、
もっとすごいことになってゆきます ↓



「その後どう」




「しばらくねぇ」




「と言った」




「って始まらないと心得て」


・・・・
まどろっこしいまでに区切られた音楽は、
ここでの解釈上バラバラにした訳ではなく、
あくまでも音楽がそうなっているとご理解ください。

その証拠に、
それぞれのフレーズ・言葉は、
それぞれに長かれ短かれの「休符」に区切られています。


これらは、作曲者自身による明らかな作為
あってのことと思わざるを得ません。↓


「会い見るの時はなかろう」と
始めにいいながらも、
「その後どう」
「しばらくねぇ」

と語りかける言葉は、
あたかも目の前にその人は居るかのような錯覚を起こさせます。

しかし、
「と言った・・・って始まらないと心得て」
とひっくり返す・・・


「肯定と否定」の「行ったり来たり」は、
音楽上の休符「間(ま)」の効果によって
さまざまな時空間を自由自在に往来するのかもしれません。
音楽の妙と言えましょうか?

「言ったって始まらないと心得て」どうするかというと、↓


「花でも見よう」


・・・ということなようで・・・

歌い手一人(ソロ)のカデンツ、
長3度の二音が、半音階的に降りてくる音型は、
さくらの花びら散って右へ左へ揺れ堕ちるさまを
彷彿とさせます。


花びらを、その人のこころにもなぞらえて?


ここはさくら横町、いくら思い巡らし仕方のないわけだから、
さくらの花でも見ようというわけです。




それでいいのだ




・・・歌曲《さくら横町》は、このあと、
冒頭のテーマに戻ってきて、静かに幕を閉じます。

《さくら横町》・・・無上に美しい音楽です。



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