音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆(つづき)ショパンの愛した「プレイエル」という楽器

2007年07月10日 | ショパン Frederic Chopin
プレイエルという楽器に触れてみた印象、
具体的には、
●うるさくないダイナミックス・レンジ
下手をすると、「ffが足りない」と思われてしまうかもしれない
音量の幅は、そうした音量の拡大という方向性を求めていない
ひとつのピアノという楽器における美学であると
捉えることができるのではないでしょうか。
プレイエルでショパンの「ff」を弾いてみる・・・


ちょうど良い。心地よい、うるさすぎない!!


これは目からウロコの体験です・・・
まるで楽器自体が、程良いショパンの音楽の幅を
的確に把握してくれているかのようです。

今思えば、
これと似たような経験をしたことがありますのは、
バッハの音楽をピアノではなく、
チェンバロやオルガンで演奏してみた際、
ピアノという楽器では気を遣わなければならない
「音量差」というものに気を囚われることなく、
音のしゃべり、アーティキュレーションに
神経を十二分に集中させることのできた心地よさ。

プレイエルを使ってショパンを弾く心地よさ。
両者の体験に少なからぬ共通点があるようにも思われます。


さらにプレイエルを弾いて強く思ったことは、
●旋律線のつながり・謡いの心地よさ
でしょうか。

「ショパンの音楽は歌である」とよく言われます。
《ノクターン》なぞ、その典型でしょうか。
右手の上声部が歌手のように歌う。
プレイエルを使って、これを試してみる・・・

メロディーが浮かびあがるようでした。
例えば、右手の4、5の指で旋律線をたどり、
1,2,3の指は伴奏形を弾いていたとします、すると
4,5のメロディーをメロディーと意識することで
楽器が自然に・自動的にメロディーをメロディーとして
認識してくれているかのような、そんな驚きを
目の当たりにしたのでした。


楽器が勝手に歌ってくれるかのような。


浮き立つ音はつながりあい、打鍵楽器とは思えない
見事な柔らかいつながりを実現してくれます。

ここに、
ショパンがプレイエルを好んで使った理由を垣間見ることが
できるのかもしれません。
あるいはもしかすると、
ショパンとプレイエルという人間の付き合いがもたらした
ピアノという楽器に対する美学の同一の方向性があるのだとしたら、
この楽器から学び得るショパンの音楽芸術を紐解くヒントが
少なからずあるのではないかと思えて仕方ありません。

「楽器から学ぶ」ということは空言ではなさそうです。


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