私は、自分の祖父のように敬愛し、大好きな!S.リヒテル先生の演奏に、最近では色々と疑問を持つようになってしまいました・・・ドイツ留学を経たからか、先生の演奏の細部に釈然としない思いを抱いてしまう・・・しかし今!その圧倒的な魅力溢れる演奏に触れ!やはり本気で感動しました!
演奏のために、楽曲の細部に渡るまで磨き、積み重ねることで、演奏は充実すると思ってがんばっています。しかし、細部云々では説明しようのない、巨大な流れのように人の心を掴んで惹き込む力というものも、この世には存在することを、巨匠リヒテルの演奏を聴き・見ながら、実感しました。
大ピアニスト、S.リヒテルの放つ圧倒的な魅力、その秘密の一つは、奏者が大胆に使っている「上半身の動き」にあると思います。熊さんのような巨体を(ご本人曰く太りすぎ!?)縦横無尽に使いこなす時、とてつもない音が飛び出してくるのかも・・・!!
以上は、リヒテル演奏、ラヴェル《道化師》を視聴しながらの感想です。これは、これは!奏者の絶大なファンタジー(道化師の心!?)が感じられる演奏と思われます。それが、ずば抜けたピアノ演奏技術と結合し・・・凄い、奇跡のような興奮を巻き起こす!?
《道化師の朝の歌》、ピアニスト巨匠リヒテルの演奏は、作曲家ラヴェルの持つ妄想・狂気に呼応している!? 本気のファンタジスト!?
・・・20世紀のピアノの大名人達の演奏を、曲の作曲者の楽譜に照らし合わせて聴き比べていると、どれも作曲者に言わせれば、完全とは言えないものぱかりのようです・・・それでも!演奏が魅力的である場合も少なからず!・・・演奏者の大天才を、否定は出来ない・・・!?
演奏者の、巨大な技術と感受性が、人々を魅了した20世紀=スーパースター演奏家の時代、が、あった!?