音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

♪クラシック音楽の伝統を受け継ぐ真の音楽芸術家を目指して活動しています♪ 「YouTubeクラシック音楽道場」も更新中♪

音楽用語[pピアノ]の意味は「静か」。「弱い」は間違い!?

2021年10月14日 | クラシック音楽道場
先日、
某小学校における
音楽の授業を参観させていただく
機会に恵まれました♪

音楽の先生は子供達に、
楽曲の抑揚をつけて歌ったり身振りをさせたりと、
子供達も楽しそうに音楽していました♪

ところで今ここに掲げたい問題があり…
先生が黒板に書いた楽語の説明について、
ひとつ文章にしてみたく思います。

それは、
fフォルテは「強く」
pピアノは「弱く」

と説明されていたこと。
子供達も我先に!!
「pピアノは、どう言う意味ですか?」
という先生の問いに対して、
「弱く!!弱く〜!!」
と、あちこちで声が上がります。

ここで…クラシック音楽の
専門家である私は、この状況に対して
複雑な思いを抱いてしまうのでした…

なぜかというと、
原語イタリア語におけるpiano
という言葉には、
「弱い」という意味は無い!?のだそうです…

pianoは「静か」「平らに」
という意味だそう。

………

日本の音楽教育において(実は日本におけるクラシック音楽輸入元であるドイツにおいても)
forte「強い、Stark(独)」(←これは間違いでは無いそうです。英語のforceという言葉と近いことからも想像できましょう)
その反対が
「弱く、Schwach(独)」
と説明されるのは、一見当然と言えば当然。

しかし、
深掘りして考えると、
「piano、弱い音楽」って…いかがでしょうか!?
音が弱い?なるほど…でも
音楽が…弱い???

これを、
原語のイタリア語から考えると
「piano、静かな音楽」
となります。
なるほど!!
音量や雰囲気が静か、ですね。

対比としても、
おかしくはなさそうです。
「forte、強い音、強い音楽」
「piano、静かな音、静かな音楽」
綺麗にまとまった意味として通じましょう。

(余談と私見ですが、pianoを「平ら」と捉えることは、私にはいまいちピンときていません…)

というわけで、
単純に、forteの反対がpianoとして
「強い」の反対だから「弱い」と
安易に捉えるのではなく、
充実したクラシック音楽人生を歩むにあたっては、ひとつ、
「forte強い」に対する
「piano静か」
という言葉にこだわりを持つことは、
有意義であるよう、私は常日頃感じています♪
いかがでしょうか。

しかしながら、
めくじらを立てて!!
「pianoは弱い、ではない!!!教科書にも辞書にもそう書いてある…全てを書き換えるべきだぁ!!!」
…なぞと
反抗するのも愚かしいかと…
(そうしたい気持ちもなくもないのですが(笑))

でも、冷静に考えて、
既存の社会常識を覆すことは
並大抵のことではないでしょう…

いちフリーランスの音楽家として、
せめて出来ることは、
このような小さな場所・小さな声ではありますが、
少しでも発信することで、
誰かしらがこの事実に気付いて、
面白い!!
と思っていただけたら、いいのかな、
と思う次第です。

更に言ってみるなら、
「学校や教科書にもp弱いって書いてあるけど、本当の意味は静か、なんだって!!
普通の人が知らないことを知ってる、ちょっと自慢げに思ってみない??」
と、
小さな優越感を楽しむのは…
いかがでしょうか!?(笑)

いやいや!単なる優越感ではない、
「p静か」と理解することは、
実に有意義・有効な音楽への接し方となるでしょうこと、
ここに強くおすすめしたく思います♪





追記

上記の小学校における授業の終わった後、
この音楽の先生にお話しすることができ、
先生も「piano静か」ということは
ご存知ありませんでした。
でも!それを責めるつもりは無い!
ことも即座にお伝えし、
教科書にも書いてあるし…
だから、
機会があれば子供達に「実は
pianoは静かっていう意味が本当なんだって!!教科書にもない特別なことを教えてあげるよ〜」なんて言って、
おまけのように真実を伝えていただくのは、
いかがでしょうか?との提案をさせていただき、
快く!!喜んで、そうしてみたい!!と
おっしゃって下さいました♪

この記事をここ最後までお読みいただいた皆様も、
ひとつ
pianoは「弱く」ではなく「静か」、
この事実を、どうぞ!!
楽しんでいただけましたなら、
嬉しいです♪


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【死】を意識させられるクラ... | トップ | ◆2021年ショパン国際コンクー... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。