昨夜、テレビで面白い番組が放送されていました。
腹話術師 いっこく堂
複数の人形を同時に扱い、
口を動かさずに声色を使い分ける腹話術、
(一般的には不可能と言われる
「まみむめも、ばびぶべぼ、ぱぴぷぺぽ」をも
唇を動かさずに言うことができるいっこく堂氏の桁違いの
腹話術の技術は、七年という年月をかけて習得されたものらしい)
しかも、
それらの技術を何の苦も無く扱うように見せながら、
面白い話の内容で人々の笑い取る、
これは名人芸以外の何物でもないでしょう、
すばらしい、すごい人だと思います!!
番組でも触れていましたが、
例えば、
●右手の鳥がしゃべっているあいだ、
●左手の寡黙な男は全く別の表情をその間に見せている、
それをコントロールしているのは腹話術氏その人ただ一人、
=複数の事柄を一人の人間が同時に扱える能力、
これを「デュアルタスク」と呼ぶそうです。
これには心当たりがあります。
そう、ピアノ演奏です。
あるいはピアノに限らず、
室内楽や合奏をする際の優れた演奏家の頭の中は、
この能力を駆使しているのではないでしょうか。
すなわち、
ひとつの旋律が奏でられている際に、
他の声部を聴いたり、あるいは奏でたりすることができる、
しかもそれが、「旋律1」と「旋律2」のみならず、
「旋律3」や「旋律4」をも同時に把握しなければならない
ような場合が、複雑な音楽を演奏する場合にはあります。
クラシック音楽のジャンルにおいては、
このような技法を「対位法(コントラプンクト)」と呼びます。
最も代表的な例を挙げれば、ドイツ・バロックの巨匠
J.S.バッハの音楽の多くが、この技法を駆使しているものです。
例えば《平均律クラヴィーア曲集》の《フーガ》は、
対位法の音楽以外の何物でも在りません。最晩年の作品
《フーガの技法》や《音楽の捧げ物》はもちろんのこと、
バッハは生涯をこの「対位法」の探究に費やした人といっても
過言ではないでしょう。
さらには、
ベートーヴェンやショパンといった作曲家達も、
いわゆる彼らの音楽家人生における「後期」という段階に入って
この「対位法」をより深く習得しようと勉強した事実があり、よって、
彼らの後期の作品には「対位法」を駆使した作品が少なからずあります。
例えばベートーヴェン後期のピアノソナタ《op.110》の終楽章は
「フーガ」ですし、弦楽四重奏《大フーガop.133》だってもちろん、
ショパンにおいては、後期の《マズルカ》に複雑な「対位法」が
垣間見られます。
「デュアルタスク」という言葉は、
今回のいっこく堂さんを紹介したTV番組にて
初めて知ることができました。
なんと・・・腹話術氏と音楽家に相通ずるものがあるとは・・・。
世の中の出来事の多くが、何かしらの共通点で結ばれている、
そんな事実を垣間見ることの出来るひとつのようです。
音楽家における「デュアルタスク」=「コントラプンクト」、
もっともっと磨いてゆきたいものです!!
…………………………………………………………………
この記事に関するコメントやご連絡等ございましたら、
以下のアドレスまでメッセージをお送り下さい。
PianistSegawaGen@aol.com
…………………………………………………………………
腹話術師 いっこく堂
複数の人形を同時に扱い、
口を動かさずに声色を使い分ける腹話術、
(一般的には不可能と言われる
「まみむめも、ばびぶべぼ、ぱぴぷぺぽ」をも
唇を動かさずに言うことができるいっこく堂氏の桁違いの
腹話術の技術は、七年という年月をかけて習得されたものらしい)
しかも、
それらの技術を何の苦も無く扱うように見せながら、
面白い話の内容で人々の笑い取る、
これは名人芸以外の何物でもないでしょう、
すばらしい、すごい人だと思います!!
番組でも触れていましたが、
例えば、
●右手の鳥がしゃべっているあいだ、
●左手の寡黙な男は全く別の表情をその間に見せている、
それをコントロールしているのは腹話術氏その人ただ一人、
=複数の事柄を一人の人間が同時に扱える能力、
これを「デュアルタスク」と呼ぶそうです。
これには心当たりがあります。
そう、ピアノ演奏です。
あるいはピアノに限らず、
室内楽や合奏をする際の優れた演奏家の頭の中は、
この能力を駆使しているのではないでしょうか。
すなわち、
ひとつの旋律が奏でられている際に、
他の声部を聴いたり、あるいは奏でたりすることができる、
しかもそれが、「旋律1」と「旋律2」のみならず、
「旋律3」や「旋律4」をも同時に把握しなければならない
ような場合が、複雑な音楽を演奏する場合にはあります。
クラシック音楽のジャンルにおいては、
このような技法を「対位法(コントラプンクト)」と呼びます。
最も代表的な例を挙げれば、ドイツ・バロックの巨匠
J.S.バッハの音楽の多くが、この技法を駆使しているものです。
例えば《平均律クラヴィーア曲集》の《フーガ》は、
対位法の音楽以外の何物でも在りません。最晩年の作品
《フーガの技法》や《音楽の捧げ物》はもちろんのこと、
バッハは生涯をこの「対位法」の探究に費やした人といっても
過言ではないでしょう。
さらには、
ベートーヴェンやショパンといった作曲家達も、
いわゆる彼らの音楽家人生における「後期」という段階に入って
この「対位法」をより深く習得しようと勉強した事実があり、よって、
彼らの後期の作品には「対位法」を駆使した作品が少なからずあります。
例えばベートーヴェン後期のピアノソナタ《op.110》の終楽章は
「フーガ」ですし、弦楽四重奏《大フーガop.133》だってもちろん、
ショパンにおいては、後期の《マズルカ》に複雑な「対位法」が
垣間見られます。
「デュアルタスク」という言葉は、
今回のいっこく堂さんを紹介したTV番組にて
初めて知ることができました。
なんと・・・腹話術氏と音楽家に相通ずるものがあるとは・・・。
世の中の出来事の多くが、何かしらの共通点で結ばれている、
そんな事実を垣間見ることの出来るひとつのようです。
音楽家における「デュアルタスク」=「コントラプンクト」、
もっともっと磨いてゆきたいものです!!
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PianistSegawaGen@aol.com
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