![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/01/23bea4d59418421f598963dae8b63fb4.jpg)
今年2011年、
リスト生誕200年を記念して、
クラシック音楽道場でも、多くのリスト作品を取り上げてきました。
昨日11月の回では、
リスト作曲《2つの伝説》の第2曲、
《波を渡るパオラの聖フランチェスコ》を取り上げ、
今回もまた実演とともに、
作曲者リスト自身が、この作品の出版に際し併記した標題文を
音楽と照らし合わせながら、理解を深めよう・楽しもうと試みました。
そのまとめを、ここにしてみようかと思います。
使用楽譜は、
全音楽譜出版社(2010年発行)野本由紀夫 校訂
です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/13/778ed0b910f959f55b090462f83f67e5.jpg)
最近の野本氏校訂による全音から出されているリストの楽譜は、
真摯な原典版をまとめようとしている姿勢が素晴しく、
どれも丁寧な解説がついており、
そして何よりも我々日本人にとってありがたい!?ことは、
リストが、おもに作品の冒頭に掲載した、時には長大な文章が
日本語に翻訳されており、それを読むことができるということ!!
そのありがたさを、ことあるごとに感じさせられます。
原典版の楽譜としての質も高そうで、
安価であることも嬉しく!?(ちなみにこの楽譜は1200円)、
お勧めの版であります。
それでは、
作品の解釈に入ってゆきましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/2e/8b4cdf7c9bd7cb39ecf89d385b066d8a.jpg)
こちらの画像は、
この作品《波を渡るパオラの聖フランチェスコ》の冒頭に
作曲者リスト自身の意図により記載された標題文の
日本語版(野本由紀夫訳)です。
楽曲の全貌は、文章の左行、3段楽目に
まとまっていると考えてもよさそうです。すなわち、
聖フランチェスコが荒れた波の上に立っている。
波は彼を、彼の目的地まで運んでいく。
それは自然の秩序を支配する信仰の秩序に従ってのことである。
彼のマントが足もとに広がっている。
4大要素に命じるためのように彼は片手を高く上げ、
もう片方の手には燃えさかる石炭をもっている。
石炭は、イエス・キリストのすべての使徒がもつ内なる火の象徴である。
彼のまなざしは静かに空に固定されている。
空には聖フランチェスコのモットー、
至高の言葉〈カリタス[愛徳]!〉が、
永遠で傷ひとつない栄光のなかで輝いている。
という文章です。
この音楽作品をとらえるにあたっての
おおまかな筋書きは、
この文章にまとまっているのではないでしょうか。
ちなみにこれは、
作曲者リストが他の書物から引用したのではない
自身の言葉のようです。
上記の文章より、今後の解釈のために
この曲の解釈に有用と思われるキーワードのひとつに、
「4大要素」
という言葉があることを、覚えておいていただければと思います。
今回ご紹介いたしました文章を基軸に、
楽曲の物語が進むと考えられましょう。
ここからは、時系列に!?
物語を・音楽を追ってみたく思います。
(つづく)
♪
リスト生誕200年を記念して、
クラシック音楽道場でも、多くのリスト作品を取り上げてきました。
昨日11月の回では、
リスト作曲《2つの伝説》の第2曲、
《波を渡るパオラの聖フランチェスコ》を取り上げ、
今回もまた実演とともに、
作曲者リスト自身が、この作品の出版に際し併記した標題文を
音楽と照らし合わせながら、理解を深めよう・楽しもうと試みました。
そのまとめを、ここにしてみようかと思います。
使用楽譜は、
全音楽譜出版社(2010年発行)野本由紀夫 校訂
です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/13/778ed0b910f959f55b090462f83f67e5.jpg)
最近の野本氏校訂による全音から出されているリストの楽譜は、
真摯な原典版をまとめようとしている姿勢が素晴しく、
どれも丁寧な解説がついており、
そして何よりも我々日本人にとってありがたい!?ことは、
リストが、おもに作品の冒頭に掲載した、時には長大な文章が
日本語に翻訳されており、それを読むことができるということ!!
そのありがたさを、ことあるごとに感じさせられます。
原典版の楽譜としての質も高そうで、
安価であることも嬉しく!?(ちなみにこの楽譜は1200円)、
お勧めの版であります。
それでは、
作品の解釈に入ってゆきましょう。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/2e/8b4cdf7c9bd7cb39ecf89d385b066d8a.jpg)
こちらの画像は、
この作品《波を渡るパオラの聖フランチェスコ》の冒頭に
作曲者リスト自身の意図により記載された標題文の
日本語版(野本由紀夫訳)です。
楽曲の全貌は、文章の左行、3段楽目に
まとまっていると考えてもよさそうです。すなわち、
聖フランチェスコが荒れた波の上に立っている。
波は彼を、彼の目的地まで運んでいく。
それは自然の秩序を支配する信仰の秩序に従ってのことである。
彼のマントが足もとに広がっている。
4大要素に命じるためのように彼は片手を高く上げ、
もう片方の手には燃えさかる石炭をもっている。
石炭は、イエス・キリストのすべての使徒がもつ内なる火の象徴である。
彼のまなざしは静かに空に固定されている。
空には聖フランチェスコのモットー、
至高の言葉〈カリタス[愛徳]!〉が、
永遠で傷ひとつない栄光のなかで輝いている。
という文章です。
この音楽作品をとらえるにあたっての
おおまかな筋書きは、
この文章にまとまっているのではないでしょうか。
ちなみにこれは、
作曲者リストが他の書物から引用したのではない
自身の言葉のようです。
上記の文章より、今後の解釈のために
この曲の解釈に有用と思われるキーワードのひとつに、
「4大要素」
という言葉があることを、覚えておいていただければと思います。
今回ご紹介いたしました文章を基軸に、
楽曲の物語が進むと考えられましょう。
ここからは、時系列に!?
物語を・音楽を追ってみたく思います。
(つづく)
♪