ブルグミュラー作曲〈アヴェ マリア〉
《25の練習曲集》における、珍しい宗教曲に、
心癒されるところです♪
今回は、全部で3つの部分に分かれておりまして、
1⃣ペダルの使い方について、徹底解説
2⃣和声解析
3⃣ラテン語の歌詞を音に当てはめる
という内容となりました。
ピアノ演奏における、ペダルと指の兼合い、これについて熟考してゆくことは
ピアノ演奏芸術の高みへといたる大事なステップのようにも思え、
がんばって読み解いてみました。
和声を解析し、その後、
その音の力と、ラテン語のテクスト歌詞が一致するような手応えを覚えるとき、
感動は禁じえませんでした・・・♪
ご覧いただけましたら幸いです♪
【書込み解説】ブルグミュラー〈19.アヴェ マリア Ave Maria〉《25の練習曲op.100》より【楽曲和声分析と弾き方】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
↓ 時間をクリックすると表題毎にスキップできます
0:00~ ブルグミュラー《25の練習曲op.100》より〈19.アヴェ マリア Ave Maria〉
0:30~ ポイント1⃣ペダルの使い方(↓11分あたり) 2⃣和声解析(↓1時間1分あたり) 3⃣歌詞Text(↓1時間40分あたり)
1:05~ 1⃣ペダル
1:15~ 今までにペダルが不可欠だったのは《7番 清らかな流れ》のみ これまでの19曲中、2曲のみペダルが必要、それ以外はペダル無しでも演奏可能 ペダルに頼らないで【ピアノを弾く手指を鍛えるのにブルグミュラーは効果大】
2:59~ 〔反復音〕、ペダル無しではレガートの歌にならない、ゆえにペダル不可欠
6:24~ 〔反復音〕を全て、短い縦線を引いて書き出してみた
6:34~ 使用楽譜は『東音企画(初版)』〔原典スラー〕と〔長いスラー〕の両方記載
7:53~ 〔改ざんされたスラー〕の問題、19世紀後半に「アウフタクト本位」の理論に拘った間違ったスラーに要注意 例:歌詞が「Ave Maria Gratias Plena」が「Ave Mari Agratias Plena」と変になってしまう…
11:26~ 1~2小節、踏みっぱなし、だけど③拍目でちょっと踏み変えないと、Sop.とBass声部の動きが聞こえにくくなってしまう
12:48~ 4小節、ペダル無し、指でレガートが可能だから 【徹底して、ペダルの必要な時、指でレガート出来るときを調べ上げて、ピアノ演奏のレヴェルを向上させる、ベートーヴェン等クラシックを弾く時に非常に勉強になる方法】
15:31~ 5小節~、 反復音ゆえにペダル有り、ペダルを踏みつつのクレッシェンドがやり易い
15:56~ 6小節、ペダルいらない、②~③拍目はAlt反復音のためにペダルが必要
17:43~ 7小節、左手の跳躍のためにペダルが必要、③拍目からは指レガートでペダル必要なし
19:27~ 8小節、フレーズ終わりなので一瞬のブレス、【指で呼吸をとる】
20:36~ 9小節目へ行く際は指レガートも可能だけど、敢えてフレーズ終わりを表現するため音を離してブレスすべき
21:39~ 9小節、③拍同じ和音、だけど踏みっぱなしだと左手の声部が2声に聞こえてしまうので、踏み変えた方がTennor声部の動きが聞こえる(Ped)
24:08~ 10小節、指レガート可能なのでペダル無し、③拍目から次へ反復音があるからペダルが必要
24:37~ 11小節、①拍目ペダルなし、②拍目は必要、③拍目なし(ペダル有無による音色の差が気になるなら、それぞれ踏んでもいい)
★まずは、指レガートが可能なことを知ったうえでペダルを使う、 とにかく何でもペダルを使っていると、指が育たない…?
26:51~ 12小節、長いスラーがあると③拍目だけ音が余ってしまう…歌詞とも合わない
29:01~ 13小節、いきなりホ短調e-moll
30:54~ 典型的日本人的な私の宗教観
32:51~ 13小節、反復音ゆえにペダル必要、③拍目はペダル無し
33:16~ 14小節、長いペダルの中でデクレッシェンドに指が集中できる(h-mollロ短調はベートーヴェン曰く「Schwarze Tonnart黒い調性」、J.S.バッハ《ロ短調ミサ曲》等)
35:49~ 15小節、D-Durニ長調の和音は「Deo神」を表すようでもある
36:32~ 15小節、ペダルを踏んで、③拍目はペダル無し指レガートで16小節のppピアニシモ
37:08~ 16小節、ppピアニシモ、指だけで難しかったらuna corda左ペダルを使うのもありか
38:50~ 16小節、最後はフレーズのおしまい、指でブレスをとるよう、ペダルを使わずに
39:52~ 17小節、左手の上昇する【アルペジオの際にペダルを使う】、ピアノ曲において、ハープのような音になるためにも、アルペジオは【ペダル使用】のチャンス
42:56~ 18小節②拍目、Re♯ のあたりからペダルに注意(増4度という悪魔的「diabolo di musica」気持ち悪い音程が現れてしまうから)
44:26~ 18小節②拍目裏でペダル使用、右手「Ave Maria」反復音のため
45:13~ 19小節、①拍目は反復音ペダル必要
46:07~ ②拍目は指レガート、ペダル無しで指デクレッシェンドに集中【ペダルと指の兼ね合い】
47:48~ 20小節、①拍目からペダルを踏んでしまうと、低い音が残って存在感が出すぎてしまう、①拍目裏から高い八分音符の反復音のためにペダルを踏む
49:29~ ③拍目裏はペダル無し指レガートで21小節へ行ける
50:35~ 21小節、「拍裏」でペダルを踏みかえていく、「拍頭」だとアクセント音からの濁りが生じてしまう
52:24~ 22小節、①拍目ペダルを踏み、②拍目以後しばらくペダル無し
53:49~ 24小節、③拍目裏、Laの反復音のためペダル使用
54:06~ 25小節、拍毎にペダルを踏み変えてもいいけれど
55:12~ 26小節、②拍目以降、八分音符の動きになるため、拍裏でペダルを踏む
57:14~ 27小節、拍裏ペダル。
57:25~ ②拍目~、【下行アルペジオ】、ペダル有りでもいいけど、響き過ぎてしまい、声部が多く聞こえてしまうならば、踏み変えがよいかも
59:50~ 28小節、【終わりの音ペダル無し】、指で二分音符を離す(ペダルがあると、ペダルを踏んだボワンという音が邪魔する危険あり)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1:01:18~ 2⃣和声解析
1:01:28~ # 3つ(←神聖数)の長調A-Dur、曲名〈Ave Maria〉の「A」を象徴!?
1:02:09~ ソプラノのDo♯ は第III音「性格音」、長調の明るい雰囲気
1:03:57~ 3小節、【II,IV,VI和声解析法】
1:06:00~ 4小節、終わりは〔半終止〕、①拍目は〔D46ドミナントしろく〕の和音
1:08:34~ 5小節、〔IV度調のV度〕は〔IV度の和音〕へ向かって盛り上がる
1:09:16~ 6小節、大事な〔倚音〕の力と表現
1:10:29~ ③拍目、短調の響き…(聖母マリアの心の影…!?)
1:11:28~ 9小節、E-Durホ長調に転調、【属調に転調】はクラシックの基本(ブルグミュラーを勉強する価値ここにあり)
1:14:22~ 10小節、
1:16:26~ 11小節、素敵に聴こえる理由は
1:17:12~ 12小節、〔変終止(アーメン終止)〕…〔全終止〕との違い
1:19:13~ 13小節、E-Durの〔同主調〕e-mollに突然転調、第III音〔性格音〕
1:21:56~ 16小節、fis-mollの〔半終止〕、14小節にて転調?
1:23:44~ 14小節、〔d 短調ドミナント(与作)〕?、〔旋法「eドリア調」〕
1:26:26~ 17小節~
1:27:39~ 22小節、〔倚音〕が2回連続で減衰しながら
1:28:35~ 24小節、〔全終止〕、楽譜に書き込む位置に注意
1:30:00~ 21小節、〔減7〕は〔属9根音省略型〕(コードネームでも説明)
1:34:37~ 25小節~、〔IV度調のV度〕
1:36:33~ 27小節、〔短調サブドミナントs(←小文字で書き表すドイツ和声)〕
1:37:45~ 28小節、〔変終止(アーメン終止?)〕…「アーメン」の意味は「そうなりますように」…短調は不吉…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1:40:28~ 3⃣歌詞Textテキスト
1:41:56~ Ave Maria 敬愛なるマリア gratias plena 恵に満ちた
1:42:41~ Dominus tecum 主はあなたとともにおられる
1:43:40~ benedicta tu in mulieribus 女性のうちで祝福された方
1:45:35~ et benedictus そして祝福されている
1:45:55~ fructus ventris tui, Jesus. あなたのお腹の子、イエスも
1:47:20~ Sancta Maria 聖なるマリア Mater Dei 神の御母
1:48:02~ ora pro nobis peccatoribus 我らの罪のために祈りたまえ
1:51:00~ nunc, et in hora mortis nostrae. 今も、我らの死の時も Amen アーメン
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1:54:17~ ボーナストラック(実演)
▼ブルグミュラー【楽曲和声解析】動画一覧▼ https://www.youtube.com/playlist?list...
▼ベートーヴェン【ピアノソナタ全32曲 楽曲和声解析】動画一覧▼ https://www.youtube.com/playlist?list...
☆ 瀬川玄 Gen Segawa (@pianistGS) · Twitter▼ https://twitter.com/pianistGS
☆ ブログ 、音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」▼ https://blog.goo.ne.jp/pianist-gensegawa
☆ 瀬川玄プロフィール▼ https://blog.goo.ne.jp/pianist-genseg...