音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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■会場の隅々までとどくピアニッシモとは ~ 吉田秀和著『現代の演奏』より抜粋

2011年08月18日 | 吉田秀和

吉田秀和著 『現代の演奏』新潮社より抜粋


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爆発的なフォルティッシモの響きもさることながら、
音楽演奏の美しさの急所の最大の一つは、
ピアニッシモの美にある。

そこで、楽器なり声なりの、
音の艶が消えず、表現の充実度が低下しないままに、
ピアニッシモが歌われ、奏されることが肝心なのである。

名人、大家といわれるほどの人々の演奏は、
みんな、そうである。

カルーソーは、ピアニッシモで歌っても、
会場の隅々まで、隈なく声がとどいたという。

それは、
声が届いただけでなくて、
その表現が伝わったからこそ、
素晴らしいのである。

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物理的な音量以上に、
演奏者の音が人々に伝わるための大事なヒントが
示唆されているような、貴重な文章だと思いました。












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