下属音(サブドミナント)とは【主音から数えて4度、すなわち5度の属音(ドミナント)のひとつ下】という意味なのか、それとも【主音から「5度下」、すなわち「下のドミナント」】という意味なのか!?、考えてみると謎な問題だと思うのですが、最近、答えが見えそうなのです
それは、アコーディオンという楽器に触れた時・・・ 左手のボタンの仕組みを教えてもらってビックリしたのは、それが「5度圏」で出来ているということでした! ボタンの右隣が5度上だと、左隣は5度下となっていたのです。ここに「サブドミナント」の根源が!?見えた気がしたのです!
今テレビでヴァイオリンの演奏を見ていたら、あらら・・・これも「5度圏の楽器」でしたね。「D-Durニ長調」を得意とするこの楽器は、D線を主音とする時、下にはG線の下属音、上には属音のA線がそのまま用意されているという、この調の和声に見事に合致した楽器ということになりましょうか
ちなみにクラシック音楽においては、曲の多くは始めの頃に「5度転調」するものです。ニ長調の曲だと、イ長調に転調する。その際もヴァイオリンは、主音A線の両隣に、属音E線、下属音D線を従えている。ゆえにニ長調からの転調も網羅しているので、この調が得意といえる!?
ヴァイオリンにおいて、イ長調を主音とすると、A線の両隣にE線のドミナント、D線のサブドミナントを持ちますが、転調してホ長調となると・・・属音Hは、ついに解放弦ではまかなえなくなります。ゆえにこのような観点からすると、前記の二長調の方が優位といえましょうか。
この問題は、数ヵ月前のクラシック音楽道場でのテーマ「二長調・二短調」にて学んだものでした。ヴァイオリンという楽器の解放弦について考え、実際に音を聞き、そして和声的にも考察し「ヴァイオリンは二調が得意」と思い至ったのでした。
以上の考え方をチェロやヴィオラに当てはめると、こちらでは「ト調が得意」ということになります。バッハの名作《チェロ組曲》の第一番が「ト長調」なのは、こうした観点からすると頷ける!? バッハはもちろん、楽器の得意とする調を知っていたでしょうから!
「5度圏」に調律される各種の楽器が存在している事実を照らし合わせると、サブドミナントという本来の意味は「5度の下にある4度」ではなく、あくまでも「主音から5度下」と考えるのが妥当なのかもしれません。しかし!楽曲解釈の現場においては「4度」と考えてもきっと大丈夫でしょう!
「サブドミナントとは主音から5度下」という考え方はあくまでも本来的なもの、楽曲解釈の現場においては、入り組んだ音列の中から、この美しくインパクトのある「サブドミナント」を「4度」として見つける方が、現実的と思われます。「サブドミナントを探せ!」これ我が命題かも・・・
「協和音か、不協和音か」、この物理的事実に則して楽曲を見定める時、緊張と緩和という大自然の摂理が、立派な音楽の中には確実に息づいていることが見て採れるような気がする今日この頃です・・・ 個性を越えた普遍性の世界!
普遍的な世界観! そこに、私もいる、私もその一部。そして、私は私という個性を持っている。他の誰でもない、個性。みんな、個性を持っている。普遍的な世界の中で・・・。普遍性と個性は共存している!?