ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

カフェ2

2006年10月06日 | Weblog
テラスがあることによって、「交流の場」としてのカ
フェが発展するわけだが、その代表にあげられるのが、
サンジェルマンの「ドゥ.マゴ」「フロール」、モン
パルナスの「ロトンド」「ドーム」などだ。
前者が哲学者の、後者が芸術家の集まるところで有名
なのだが、今入っても往時を偲ばせる雰囲気を保って
いるのは、流石だ。
アールヌーヴォー調のインテリアが当時のまま残され
ているのを間近で見ると、「これがフランスの文化だ」
と自然に感じられる。
「レオナール藤田なんかも常連だったんだよな」と、
普通に想像してしまう。
それくらい、今でもリアリティーがあるのだ。

日本にも、そういったグループの集まるところはあっ
たのだろうが、いかんせん閉鎖的だ。
仲間以外入れない雰囲気がある。
まず、中が見えない重い扉という、大きな境界を越え
て入らないといけない(テラスだと、そもそも扉が存
在していない)。
入ったら入ったで、よそ者が来たという冷たい視線を
一斉に浴びる。
そして、居心地の悪さに早々と引き上げる。
まあ、こんな感じではないだろうか。

その点、フランスのカフェは、仲間でなくてもその場
にいることが出来るという、開かれた雰囲気がある。
隣で、議論が沸騰してようが、関係なくお茶を飲んで
自分だけの世界を楽しむことが出来る。
周りの人間も、お互いに干渉しない。
つまり、変な視線を浴びせることもないというわけだ。
関心があればあったで、そういうグループに参加する
ことも出来る。
だから、エトランジェでも自然に開放感を味わうこと
ができる。

と、嘗て初めて行ったパリで、初めて一人でカフェに
入った時に感じたのだが。
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