またまたBSNHKでドキュメンタリー「戦艦大和」を見る。オリンピックで浮ついてるこの時期、一体どれほどの人が見るのかと疑問はあるが、取り敢えず放映したNHKには感謝したい(それ以外の番組はオリンピックでうんざりだが)。
番組自体、大和から生き残った兵士(三千人以上の乗組員のうちの二百何人だけ)の証言を元に構成されていたが、例によって再現ドラマ(こういうのがいらない)やタレントのナビゲーション(これは更にいらない)が入り、一部緩い作りであったが、いろいろ当時の状況が分かりそれなりに有意義であったと思う。
大和は海上特攻という位置づけであったなどという事実も初めて知った。そして、二年余り出撃せずに、最後の最後に切り札的に使われたが、すでに戦闘の中心は空中戦、無用の長物であるという認識を持っていた幹部もいたようだが、これも大勢には抗えず、特攻の世界に突き進んだという悲惨な歴史。大和に限らず、色んな所で同じような経緯で悲惨な死を迎えたのが当時の日本兵である。生き残った兵士は兵士で、何故死ななかったと理不尽な責めを受けるし、何ともやりきれない状況である。
結局、大和が搭載していた46センチ砲(当時の世界最大、一発で駆逐艦を撃沈できるといううたい文句)は一回も使われることなく、その火薬が最後の大爆発の原因になったという皮肉のもと鹿児島沖で沈んでしまった(魚雷は十数弾受けた)。ひょっとしたら46センチ砲は、撃った時点で破裂する恐れがあったのではないか、と見てて想像してしまった。設計図などは処分したので詳細は分からない。そんなところも謎めいて、色んな想像を掻き立てるのだろう。