ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】新数学勉強法

2006年12月25日 19時59分13秒 | 読書記録2006
新数学勉強法 時代が数学を要求している, 遠山啓, 講談社ブルーバックス B-7, 1964年
・数学の啓蒙書。数学の苦手な人に是非!という触れ込みで、親しみやすい図を多用し努力の跡はうかがえますが、内容に含まれる考え方は、しっかりしたガチガチの数学です。一応、どちらかといえば数学好きの私でも、ちょっとしばらく考え込む個所もちらほら。出版当時としてはこれでも易しかったのでしょうかね・・・ 導入部、記号論理、線形代数、微分積分の四部構成。
・写真:時代を感じさせる券売機。一体なんの乗り物用なのか。
・「しかし、数学を社会的な問題の処理に大規模に応用するきっかけをつくったのは、第2次世界大戦であったとされている。」p.15
・「このように数学は言語とよく似た性格を持っている、というより、ある特別な言語であるといってもよいだろう。」p.22
・「こういう分かりきったような事がらを大まじめに書いてあるのに出会うと、バカバカしくなってしまう人もあるだろう。しかしそれは早計である。  実は、このバカバカしいほど簡単な事がらをつみ重ねていって、複雑な事実を解明していくことに数学の威力が潜んでいるのである。」p.33
・「まず、結論から先にいっておこう。それは、「数学恐怖症を世の中にひろめた原因のうちの99%までは、過去の誤った数学教育にある」ということである。」p.40
・「この暗算偏重の算数教育を日本にもちこんだのは、昭和10年から国定教科書になった尋常小学算術(俗に「緑表紙」とよばれている)であった。そのなかには、たとえば、4年生には
  456+94, 535+76, 748+57
などを暗算でやらせている。
 また5年生には
  80/(5.2-3.6)
などという程度の高い暗算をやらせている。
 さらに6年になると、
  52+75+69+47
などの暗算もでてくる。
」p.44
・「暗算が計算の中心だとすると、数学者はみな暗算の名人になりそうだが、事実はそうではない。整数の加減剰除の暗算などは下手な数学者のほうがむしろ多いだろう。」p.44
・「つまりこういうことになる。  「数字に弱くても、数学に弱いわけではない。」だから、数字に弱い、と自認している人は決して悲観する必要はないのだ。」p.47
・「くりかえしていうが、こういうひねくれた難問がいくらできても、数学の本通りを1歩でも進んだことにはならないし、またこういう難問ができなくても少しも悲観する必要はないのである。」p.54
・「このデカルトは、初等幾何のなかで役に立つのは相似三角形の定理とピタゴラスの定理だけだ、といっているが、当たらずといえども遠からずであろう。」p.56
・「集合論を創始したのはカントル(1845-1918)という数学者であった。」p.68
・「∩は人が帽子をかぶっている形だからキャップ(Cap)といい、∪はコップの形だからカップ(Cup)というユーモラスな愛称でよばれている。」p.77 ヘェー ってこの呼び名は今でも使われているのだろうか?
・「つまり「すべて……である」の否定は「あるものは……でない」となるのである。」p.93
・「!という感嘆詞の記号は驚異的に大きいから n!に使ったという人もあるが、その起りはよくわからない。」p.113
・「1,2,3,……という添字を考え出したのはライプニッツ(1646-1716)であった。かれはうまい記号を発明することの名人であった。」p.122
・「フランクリンは人間を「道具をつくる動物」(tool-making animal)であるといった。」p.179
・「このとき f(x) を x の関数(function)という。(中略)もとはヨーロッパのfunctionであるが、使いはじめたのはライプニッツであるという。」p.184
・「この変化のありかたを視覚に訴えて、生き生きととらえることができるようにしたのがグラフである。それはデカルト(1595-1650)の発明したものである。」p.188
・「「微分は微かに分ればいいし、積分は分った積りになればよい」という洒落もこういうところからでてきたものであろう。」p.207
・「したがって微分という計算は「f(x+Δx)からf(x)を引いてΔxで割る」という計算をぎりぎりまで押しつめることである。」p.214
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする