神との対話 2 宇宙を生きる 自分を生きる, ニール・ドナルド・ウォルシュ (訳)吉田利子, サンマーク文庫 E-34, 2002年
(Conversations with God book2 by Neale Donald Walsch 1997)
・「うさんくさい」とは思いつつも気になり、つい手にとってしまう『神との対話』。三部作のうちの第二部です。今回も "神様" は実に雄弁。
・書き抜きが多くブログの字数制限にひっかかるので、通常なら文字を青にするところをタグを省略してそのままの黒字にしました。はじめての事態。
・「あなたは、この本の内容がほんとうに神の言葉だとは信じないかもしれない。それでもかまわない。大切なのは、この本の内容に価値があるか、洞察力を与えてくれるか、目覚めのきっかけとなり、新しい欲求に火をつけ、地球上の毎日の暮らしに実りある変化をもたらすか、それだけだ。何かが変らなければならない。それを神を知っている。いまのままではいけない。」p.12
・「来てくれてありがとう。ここに来てくれて、ほんとうにありがとう。(中略)まず、あなたとこの本はいま、完璧な出会いをしたのだと気づいてほしい。」p.24
・「<マスター>の秘密はそこにある。つねに同じことを選択しつづける、それが秘密だよ。」p.40
・「あなたが何か「決意」すると、宇宙に動きが生じる。」p.41
・「いいかね。真の讃美とは非理性的なものだよ。」p.48
・「ひととして挑戦すべき最大の課題は、「いまここで、あるがままに」ということだ。ものごとをでっちあげないこと!」p.52
・「反応(reactive)と、創造(creative)、この二つの言葉をくらべてごらん。二つが同じ言葉であることがわかるだろう。c が移動しているだけだ! c が正しい場所にあるtき、あなたは反応するのではなくて、創造する。
なるほど、うまいことをおっしゃる。
なにしろ神だからね。」p.53
・「ふつうかもしれないが、自然ではないな。「ふつう」というのは、通常はそうだということだろう。「自然」というのは、「ふつう」であろうとするのをやめたときの状態だよ。
自然とふつうは、ちがう。」p.54
・「この世に、この時間に、あなたは自分を知るためにこうありたいと思う自分を創造するためにいる。それが人生の目的だ。人生はいつまでも続く再創造(re-creation)のプロセスだ。」p.54
・「あなたがたはみんな、自分に価値がないと思っている。だから、イエスの名において願う。あるいは、聖母マリアの名において。「守護聖人」の名において、あるいは、神の子の名において。あるいは東洋の精霊の名において。誰かれかまわず、いろいろな名を使うけれど、自分の名だけは使わない! だが、いいかね。願えば与えられるだろう。求めれば、見つかるだろう。叩けば、開かれるのだよ。」p.58
・「わたしは、毎日、毎分、指針を与えている。どちらへ曲がればいいか、どの道をとればいいか、どんな答えをすればいいか、どう行動すればいいか、何を言えばいいか、それを知っている細い静かな声、それがわたしだ。(中略)わたしの声に耳をすましなさい。」p.63
・「イエスをふくめ、すべての<マスター>がそう言ってきたではないか。それが、教えの中心だよ。究極の真実だよ。 わたしは時の終わりまで、つねにあなたとともにいる――それを信じるかな?」p.65
・「「時」は継続でない。垂直ではなく、水平な相対性の要素だ。ただし、「左から右へ」というふうに考えないこと。ひとりの人間の誕生から死まで、線を描くように時が存在しているとか、時とは、宇宙のある時点から別の時点までの線だとは考えないこと。「時」は「上がったり、下がったり」するものだよ! いまという永遠の瞬間を表す、はかりのようなものと考えればいいかな。」p.71
・「神にとって「不可能」なことが、ただひとつある。それは、神でなくなることだ。(中略)わたしがどこにもいない(nowhere)としたら、わたしはどこにいるか? いまここに(now here)いる。
うまい!」p.79
・「「腐ったリンゴ」などというものはない、ということだよ。あるのは、あなたの考え方とはちがう考え方をするひと、ちがう世界のモデルをつくりあげているひとだけだ。いいかね、どんな者でも、自分なりの世界モデルにてらせば、何も間違ったことはしていない。」p.81
・「この本の目的、三部作のすべての目的は、新しいパラダイム、新しい理解、大きな視野、偉大な考え方を受け入れる準備を整えることなのだ。」p.83
・「「死」というものはない。生命は永遠に続く。生命はある。ただ、かたちを変えるだけだ。」p.91
・「人生の目的は神を喜ばせることではない。
人生の目的とは、自分とは何者であるかを知ること、自分を再創造することなのだよ。」p.93
・「
ヒトラーは天国へ行った。地獄というものはないから、ほかに行くところがないのだ。(中略)ヒトラーが犯した過ちは、彼が死にいたらしめた人びとをなんら害することも、侵すこともなかった。あの人びとの魂は、地上の束縛から解放された。さなぎから蝶が解放されるようにね。 残された人びとが彼らの死を悼むのは、彼らの魂がどんな喜びへと分け入ったかを知らないからだ。死を経験したら誰も死を悼んだりはしないよ。」p.94
・「やれやれ、いつも不安におののきながら生きているようだな。
でも、それが宗教の目的でしょう。宗教は、神へのおそれを植えこむんです。そうすれば、誘惑に勝って、正しい行いをしますから。」p.104
・「あなたがたの星で起こる出来事は――もう三千年も続いてきたわけだが――さきほども言ったように、「あなたがたのグループ」、つまり地球という星のすべてのグループの集合意識の反映だ。この意識のレベルは、どんなにひいき目に見ても、原始的と言うほかない。」p.113
・「ヒトラー経験の恐ろしさは、彼が人類に対して罪を犯したということではなく、人類が彼に罪を犯させたということだ。驚ろかなければならないのは、ヒトラーが登場したことではなく、あれほど多数の者が彼と行動をともにしたことだよ。恥ずべきは、ヒトラーが何百万人ものユダヤ人を殺したことだけでなく、何百万人ものユダヤ人が殺されるまで、誰もヒトラーを止めなかったことだ。」p.114
・「世界が変わってほしいと思うか? では、あなた自身の世界を変えなさい。」p.115
・「――一体である、ただひとつのわたしたち――在るのはそれだけだ。」p.137
・「場は……表示された時間だ。 じつは、なかに何も存在しない場、純粋な「空(くう)」の場というものはない。すべては何ものかである。」p.138
・「その「時」より前に、何もない「時」があった。あるのは、最も純粋なかたちの最高の振動エネルギーだけだ。それを、あなたがたは反物質と呼ぶ。」p.139
・「すると、宇宙は収縮するんですか?
そのとおり。すべてが「もとへ戻る」わけだ!(中略)言い換えれば――「わたし」だ! 終末には、すべてがわたしに戻ってくる。「そこへ落ちつく」のだよ。」p.140
・「宇宙は膨張し、収縮する。それから、また同じことがくり返される。何度も、何度も、永遠にくり返される。世界には終わりはない。それが、神の呼吸だ。」p.141
・「生命のリズムをいちばんよく知っているのは女性だ。女性はリズムに従って生きている。女性のリズムは生命のリズムそのものだ。女性は男性より「流れにのる」のが上手だ。男性は押したり、引いたり、抵抗したり、流れの方向を変えたりしようとする。女性は流れを感じとり、流れにあわせてかたちづくる。」p.142
・「不思議だとは思わないかね? 生まれてからずっと、「自分がいちばん望んでいること」に罪悪感を感じさせられてきたんだよ。だが、わたしは言う。望むものをいくらでも愛しなさい、好きになりなさい。何かを愛すれば、自分に引き寄せられるのだから。 そういうものはみな、生命の糧だ。それを愛するということは、人生を愛することだ。」p.149
・「あなたはいままで、受けることよりも与えるほうが大切だ、と教えられてきた。
だが、自分が持っていないものを、与えることができるだろうか。だからこそ、「自分の喜び」が大切なのだ。」p.150
・「自分にありあまる喜びを与えなさい。そうすれば、ひとにもありあまる喜びを与えられるだろう。」p.152
・「「あるべき」という言葉がいけないのは、誰かが基準を設定する点だ。そうすると、あなたがたの行動は自動的に、何を歓びとすべきかという他人の考えに制約され、方向づけられ、指示される。」p.176
・「何を決意するにしても、いちばん大きな問題は、「愛していれば、どうするだろう?」と自問することだ。自分自身を愛しなさい、それから関係する全員を愛しなさい。愛しあっていれば、相手を傷つけるようなことは決してしないだろう。」p.178
・「何をするにしろ、ものを考えない。まったく、考えない! たいていのひとは肉体のレベルで人生を送る。肉体を養い、衣服を着せ、「糧」<を与える。たいていは何年も立派な本を読まずに暮らしている。立派な本とは何かを学べる本だ。だが、テレビ番組なら一週間分暗記している。考えてみれば、たまらなく悲しいことではないか。
たいていのひとは何も考えたくないのだ。自分で考えなくてもいいように、指導者を選び、政府を支持し、宗教を採用する。「気楽にさせてくれ。どうしたらいいか、教えてくれ。」たいていのひとは、それを望んでいる。」p.182
・「あなたがたの一部は――少数だが――肉体と精神の両方があることを理解している。(中略)肉体と精神のバランスをとっている者が少数だとしたら、
肉体と精神と魂という三つの部分を生きている者はさらに少ない。だが、あなたがたは三つの部分からなっている。」p.183
・「他者を傷つけることになるなら、どんな行動も成長を早めることにはならない。第二のガイドラインは、他者と関係するどんな行動も、他者の合意と許可なしにはしないこと。」p.187
・「
人間もふくめて、とくに人間について、相手の何かを必要とするとたちまち関係は破壊される。
でも、誰でも必要とされたがっています。
それでは、必要とされたがるのをやめなさい。それよりも、必要とされていないと感じたがるようにしなさい。誰かに与える最大のプレゼントは、あなたを必要としないだけの力と強さで、どんな理由にしろ、相手があなたを必要としなくなることなのだから。」p.194
・「アメリカでは、日本の二つの都市に原爆を落とし、おびただしい人間を殺傷する結果となった決断について、子供たちにすべてを教えてはいない。あなたがたから見た事実、あなたがたが見たがっている事実を教えている。」p.203
・「最後に、ものではなくつぎの三つの基本概念を中心にした、新しいカリキュラムを考えなさい。 ――認識――誠実――責任 子供たちに幼いころから、この概念を教えなさい。」p.216
・「何度も言うが、最近、世の中を眺めてみたことがあるかね?(中略)いいかね。あなたがたがすべてに責任を負うまでは、何も変えられないのだよ。(中略)何千年もだよ。同じ過ちを何千年もくり返してきた。人類はいちばん基本的なところで、原始時代からあまり進歩していないね。」p.220
・「子供たちにはできるだけコアとなる概念を理解させなさい。日付や事実や統計数学を中心にするのではなくて、価値観を中心にした理論的構造を創りあげることに関心を向けさせなさい。」p.225
・「おっしゃるような学校があればいいと思います――ほんとうに、あればいいなと思いますよ!
そう努力している学校はあるよ
ありますか?
あるとも、
ルドルフ・シュタイナーというひとが書いたものを読んでごらん。彼が創設したウォルドルフ・スクールという方式を勉強してごらん。
ああ、もちろん、その学校のことはしってます。これ、コマーシャルですか?
いや、観察だ。」p.227
・「
政治とはつまり、権力者が自分の利益は国民の利益だと納得させようとする方法だ。 政府は利己心を理解している。だから、国民にものを与える施策を立案するのがうまい。」p.234
・「大麻が禁止され、タバコが許されているほんとうの理由は、健康とは関係ない。問題は経済だ。つまり、権力だよ。」p.239
・「どうすれば、地球の人間は世界観を変えられますか?
それは、どう変えたいかによるね。
どうすれば、苦しみや悲惨な事態をなくせますか?
分裂をなくせばいい。新しい世界像をつくればいい。新しい枠組みで考えればいい。
と言いますと?
現在の世界観とは、まったくちがったものをもつことだ。」p.244
・「最終的には、すべての地政学的な問題は、個人の問題と同様に、霊的な問題に行き着く。生命のすべては霊的であり、人生の問題の基礎はすべて霊的なところにある――霊的に解決される。」p.261
・「他のすべてのひとや場所、ものごととの神聖な関係の目的は、相手が何を望むか、何を必要とするかではなくて、あなたが成長し、ほんとうの自分になるためには、何を必要とし、何を望むのかを知ることだ。」p.272
・「同情心に限度はないし、愛に終わりはなく、神の世界の忍耐は決してつきない。人間の世界でだけ、善に限りがあるのだ。わたしの世界では、善は限りがない。」p.292
・「すでにこの本のなかで、問題のより高い解決策を説明した。
何も欲しがるな。好みで選ぶのはいいが、必要としてはいけない。 だが、それはとても高度な状態だがね。それは、<マスター>の位置だ。」p.294
・「あなたがたは、神を自分たちとはべつの存在と見ることをやめなくてはいけない。それに、お互いどうしがばらばらの存在だと考えることもやめなくてはいけない。 唯一の解決策は、究極の真実だ。」p.296
・「あなたは、インスピレーションのもとになることができる。そうしなくてはいけないのだ。
わたしが、ですか?
ほかに誰かいるのかね?」p.297
・「(
あなたはつねに贈り物になれる。なぜなら、あなたは贈り物なのだから――だが、あなた自身にそれがわからないこともある)。 誰かが思いがけなくあなたの人生にかかわってきたら、そのひとはどんな贈り物を受け取りにやってきたのだろうと考えなさい。」p.302
・「この単純な真実がわかれば、すべてのなかで最も偉大な真実が見えてくる。 わたしがあなたのもとへ送るのは天使だけ、それ以外はない。」p.303
・「相手が欲しがっている助けを与えなさい。言葉で、あるいは行動で、放っておいてほしいと言っていることだって多い。そういうときは、あなたが何かを与えたいと思っても、放っておくことが最高の贈り物になる。」p.304
・「まことに、まことに、わたしはあなたがたに言う――わたしのきょうだいのなかの、最も小さい者のひとりにあなたがたがしたことは、わたしにしたことなのである。 これが、わたしの真実であり、それは永遠に変わらない。」p.306
・「金銭の動きをオープンにするだけで、もっとたくさんのことが職場からも、世界からも消えるだろう。」p.317
・「言い換えれば、
ほんとうの自分自身を知るには、何がほんとうの自分ではないかを知るほかない。」p.335
・「平等というのは、機会の平等であって、事実上の平等ではないことをわすれないように。事実上の「平等」は決して達成されないだろうし、それでいいのだよ。」p.346
・「原始的な社会のいちばんの特徴は、自分たちが進歩していると思っていることだよ。原始的な意識のいちばんの特徴は、当人は悟っているつもりでいるということだ。」p.347
・「
無条件に与えること(無条件に愛すること)を学んだとき、無条件に受けとることもできるだろう。人生は、それを経験するために創られた乗り物なのだよ。」p.350
・「あなたがたにこういう人生がいいだの、ああいう人生がいいだのとは、わたしは言わない。わたしの唯一の欲求は、あなたがたが充分に創造的な存在としての経験をすること、それによってほんとうの自分を知ることだ。」p.359
・「いいかな。すべてが始まったときから、世界はずっとわたしに反対してきた。世界の誕生以来、わたしの言うとおりに従った者はほとんどいないよ。」p.362
・「おいおい、ちょっと待ちなさい。どうも、肝心なことがわかっていないようだ。一から出なおそうか。この本は、あなた自身がつくりあげているんだよ。」p.363
・「この本では、あなたがたの世界の経済的、政治的、社会的、宗教的なシステムが原始的だと言うつもりだ。わたしの観察するところ、あなたがたは自分たちのシステムがベストだと考えるという集団的な傲慢におちいっている。」p.375
・「真実と神は同じ場所で、沈黙のなかで見いだされる。あなたが神を発見したら、そして真実を発見したら、語る必要はない。自明だから。 神について饒舌に語るのは、まだ求めている最中だからだろうね。それでもいいのだ。」p.386
・「
たとえ神でも未来を予言できるだろうか? いいかね。あなたがたの未来は創りあげていくものだ。思いのままに創りあげなさい。」p.391
・「宇宙に知的生物がいるのか、知りたいのかね? もちろん、いるよ。」p.394
・「世界の問題や紛争の、全部とは言わないまでも、大半は、あなたがたが社会全体として、つぎの二つを実行すれば解決する。 ①ばらばらだという概念を捨てること。 ②「見える」という性質、つまり、はっきりと見せるという概念を採用すること。」p.403
・「あなたは、「絶対的な強者は絶対に何ものも求めない」とおっしゃった。それが神の本性ですか?
わかってきたようだね。」p.416
・「限界にこそ、新しいチャンスがある。限界から、新しい創造が始まる。」p.430
●以下、訳者あとがきより
・「一冊目の、『神との対話』でも、くり返し言われたことですが、「神」は、あなた自身で考え、選択することが大事なのだよ、と教えています。」p.433
・「また、これも一冊目の『神との対話』と共通することですが、自分を第一に考えていいのだよ、と「神」は言います。」p.433
・「しかし、ありのままの自分をすなおに見つめ、認めてやること。そして、その自分をいおおしいと思い、満たされたい、幸せになりたいと願うこと。たぶん、そこから、充実した人生は始まるのでしょう。」p.434
●以下、解説(阿木燿子)より
・「週に一回、聖書の時間というのがあったが、宣教師が神について、いろいろ話してくれた。しかし、今考えてみると、あのとき聞いた神様は、この本とはずいぶん違う。父なる神と言いながら、私たちが何か悪いことをすると、罰を与える神であり、愛を唱えながら、唯一絶対なる神のみを信じよ、と強要していた気がする。」p.438
《関連リンク》
2006.12.17
【本】神との対話