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大名火消し…♪

2019-05-27 09:35:23 | Weblog
これも以前から気になっていた一冊。
今年春前に公開された映画『サムライマラソン』の原作、『幕末まらそん侍』の著者の作品。

               

『大名火消し ケンカ十番勝負!』 土橋章宏箸 角川春樹事務所
享保五年、将軍徳川吉宗の時代。
信州から江戸に出てきた拓蔵くん、十九歳。
ものごころつく前に自分と母親を捨てた親父をぶん殴ってやる、というのがその目的。
偶然出会った徹次さんに一晩泊めてもらったところが加賀鳶の詰所。
ぶん殴ってやろうと考えていた父親は水神の辰と称えられた伝説の火消しだったことが分かる。
まわりの人間が語る親父の姿は
幼かった自分と母親を捨てた親父はろくなもんじゃねぇ
という拓蔵くんの思い込みとは大きく違っている。
水神の辰とは盟友であった加賀鳶の頭雷神の甚五郎に見込まれて、加賀鳶の一員となって活躍する。
でもまぁ、とにかく、いちいち、なにしろ、喧嘩っ早い。
火消しの仕事の合間に喧嘩してんのか、喧嘩の合間に火消しやってんのかってくらい、まめに喧嘩してる。
でも拓蔵くん、その性根に濁りや汚れがない、カラッと明るい。
敵対している町火消しとも大変な殴り合いの末に気心を通わせていき、しまいにはその町火消しの頭にも認められる。
鳶、大工としての腕もいい。
そして女を大事にする情の厚さもちゃんと持ち合わせている。
拓蔵くんの仲間もなかなか好い。
兄貴分ともいえる徹次さん、よく殴り合ってる政さん、石松さん、太助さん、虎一さん、そしてなんといっても頭の甚五郎さん
最後には、なぜ父親が自分たちから離れたのか、何故死んだのかが明らかになる。
そして…、正月、加賀鳶の出初式、梯子の一番高いところで逆立ちするのは
あれは水神の拓蔵さんです
父親の形見の半纏を纏ってね
加賀鳶って、加賀前田家が江戸藩邸に抱えていた大名火消なんですって。
体格のいい美男を揃えていて、叢雲に赤い稲妻柄の半纏で着飾らせていたんですってよ
で、火消しといえば“いろは四十七組”の町火消、旗本が親元の“定火消し”、そして大名家が抱える“大名火消し”があって、そのすべての頂点が加賀鳶だったんですって
殴り合いのシーンが多いけど、楽しい一冊でした。
コメント
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