湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ミヨー:ブラジルのソーダード

2008年05月09日 | フランス
○スコロフスキー(P)(COLUMBIA)LP

わりと著名な南米系作品であるが、しっかり落ち着いた表現でミヨーの内面的な部分を意外と的確に表現している演奏。サティよりも作風として確立している常套的な手法(ミヨーのピアノソロ作品の作風のすべてがここにある)によるとはいえ、魅力的な旋律の醸す儚げな楽天性の魅力は南米のリズムにのって、パリの社交界を彷彿とさせる都会的な不協和音を織り交ぜた抽象化をへたものになっている。古さもあってちょっと感傷的になれる演奏。けして旋律の魅力や民族的な舞踏リズムを煽るほうに逃げないどちらかといえばクラシカルなスタイル。なかなかに引き込まれる演奏ぶりで傾倒していることが伺える。ミヨーにレパートリーとして4番協奏曲をオーダメイドしてもらった気鋭のピアニストが同曲の裏面に収録したもの(作曲家自伝に記述がある)。協奏曲のみ最近CD化されたようだ。

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