湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ミヨー:ピアノ協奏曲第4番

2008年05月09日 | フランス
○スコロフスキー(P)作曲家指揮ORTF(COLUMBIA他)CD

焦燥感のあるピアノの雪崩れ込みからいつもの牧歌的なミヨーが高音部で鳴り響く。高音部が管弦楽によって前期ミヨー的な暖かな音楽を繰り拡げるいっぽうで中低音域のピアノはひたすら動きまくる。依属者らしく表現に不足はなく危なげなく強靭に弾きまくる。せかせかした音符の交錯する結構入り組んだ楽章ではあるがさくっと終わる。2楽章は低音ブラス合唱で始まるこれもミヨーらしい人好きしない前衛ふうの深刻な音楽だが、ソリストは繊細な表現で音楽の無骨さを和らげている。3楽章は比較的有名なメロディから始まる楽天的な音楽で、打鍵の確かなこのソリスト向きの打楽器的用法が印象的である。喜遊的な雰囲気はミヨーの手馴れたオケさばき(必ずしも最高ではないが)によって巧くバリ弾きソリストをかっちり組み込んだ形で保たれていく。リズムが明確で押さえどころがしっかりしているゆえ、ミヨー演奏の陥りがちなわけのわからない冗長性は免れている。テンポ変化はほとんど無いが、そもそもそういう曲である。作曲家の職人的な腕による手遊びを楽しもう。○。

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