つれづれなるままに  417 夫婦のふしぎ

2008-01-10 11:21:14 | 雑記
「おひとりさまの老後」上野千鶴子さんの本を買い求め読んでいます。

結婚しようがしまいが最後はみんな一人になる。
65歳以上の高齢者で配偶者がいない女性の割合は55%と半数以上、これに比べて男性の配偶者がいない方は17%と少数、80歳以上では女性の83%に配偶者がいない生活です。「おひとりさま」は女性達と言う時代が来るのでしょうか。

女性の平均年齢は86.5歳、男性は78.5歳と寿命はどんどん延びて生きますが、それだけ女性の割合はますます増えて行くことになります。出生率、男105:女100 とわかっているそうです。これが65~69才では男48:女52、75~79歳では男43:女57これが85歳を過ぎると男28:女72と女性5人に対し男性は2人、どりらが先か、一人になったときの心の準備をしておかなければなりません。


決して仲のよい夫婦とはいえない夫婦でも、男性は妻を亡くすと、がたがた崩れてしまう場合が多いようで、生活も感情もなにもかも妻に依存し、そのつっかえ棒が崩れると自分を見失ってしまうのでしょうか。
しかし、逆の場合だとて、あんなに憎みあっていた夫婦が、夫を亡くし悲嘆にくれる、これが夫婦のふしぎな所でしょうか。「居ないほうがいいと思っていたが、死なれてみるとこんなに寂しいものとは思わなかった」と朝起きて、寝るまで顔を合わせ、同じ食卓で夫の為作ったおかずを、無言でほおばり、眼はテレビを、しかしそこには50年間の夫婦のぬくもりが、人の気配があるだけも心落ち着く。

日々暮らしてきた相手は「空気」のようと言いますが、空気こそなくてはならないもの、愛も憎しみも、のっぴきならぬ関係を何十年も続けてきた相手を失えば喪失感の深さはわかるようなきがします。これが長年連れ添った夫婦のふしぎなところでしょうか。手からこぼれ落ちて初めてその大事さが分かるものです。

70歳過ぎ80歳でご夫婦の生活はこれまた大変なことでしょう。老々介護が始まりますが、数少ないペアです。早々と独り身になった者として、応援したいですね。身勝手でしょうか。