rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

高密度体トーキョー

2010-12-16 16:03:08 | 街たち
久しぶりに、東京を訪れた。

通勤圏が近づくにつれ、車窓にうつる風景に建物の割合が増えていく。
長閑な田園風景から、一戸建て住宅の間隔が狭くなり、高層集合住宅が点在し始める。
ついで、高層集合住宅の規模が大きくなる。
それらの間を埋めるように中小規模集合住宅や、一戸建て住宅がジグソーパズルのように入り込んでいる。
建物の密度もすごいが、そこに人々が暮らしていると思うと、あまりの高密度にくらくら目が回ってしまう。

街を歩く。

ありとあらゆる店舗が立ち並ぶ。
いろいろな国の言葉が、流れてきては消えてゆく。
電光パネルには、音と映像がめまぐるしく映し出される。

さまざまな人、ものが、大量かつ断続的に押し寄せてくる。
まるで津波のように・・・
「あっ!」思わず声が漏れ出る。
油断していると、飲み込まれどこかに流されそうだ。
無防備に、全て受け入れていたら、自分が粉々に砕けてしまいそうだ。
盾を持ち、鎧に身を固め、絶え間なく溢れ来るものから、身を守らなくてはいけない。

強力な引力で光さえも飲み込んでしまうブラックホール。
トーキョーは、地球に点在するブラックホールのひとつだ。
そんなトーキョーに吸い込まれたら、いったいどんな世界が待ち受けているのだろうか?
自分船の舵を取りきれるか、笹舟のように流されるがままか、遭えなく海の藻屑となってしまうかどうかは、自信がない。

魅力と魔力を併せ持つトーキョー。
トーキョー以前に強い引力を持つ街は存在した。
後発のトーキョーは、前者の撤を踏まない老獪さを持つ。
手練手管で、その求心力を、これから先も手放すことはないだろう。