異色のランナーと聞いて思い浮かぶのは誰もが知る川内優輝選手です。
公務員として働きながら、一緒に練習する仲間はいれども基本は自分で決めた練習メニューを黙々とこなし、毎週のように大会に出場することで自分を追い込んでいます。
同じように基本1人で練習するランナーは他にもいます。
北海道マラソンで優勝し、先日の横浜国際女子で5位となった野尻あずさ選手も実業団チームを離れプロとして一人で練習しているそうです。
同じような環境にいる異色のランナーとして自分が注目したいのは京都大学の平井健太郎選手です。
高校駅伝名門校である報徳学園のエースとして活躍後、猛勉強の末、京都大学へ現役合格
箱根駅伝出場を目指し関東の伝統校へ進学する有力選手が多い中、失礼ながら陸上界では有力校とはいえない京都大学へ進学した異色のランナーです。
大学駅伝で京都大学の名を聞いたことがなかったと思いますが、今年42大会ぶりに京都大学は予選を勝ち抜き、全日本大学駅伝に出場し、伊勢路を快走し18位となりました。
その中心メンバーが平井選手です。
平井選手はエース区間の1区を走りトップと31秒差の4位でタスキを渡しました。
最終的に18位へ下がったとはいえ同じく地区予選を通過してきた国立大の
東北大学や信州大学の成績を上回っています。
京大にはコーチがおらず、勉強の合間を縫って自分で考えた練習メニューをこなし、自炊しながらアルバイトもするという、恵まれているとはいえない環境の下、インカレの1万mでも28分36秒72で2位に食い込みました。
伊勢路の1区で競った村山謙太選手らが出場しなかったとはいえ、一流ランナーの証明といえる28分台で日本人最高位とすばらしい成績。
同種目の学生歴代10傑には大迫傑、渡辺康幸、瀬古利彦といった錚々たるメンバーが名を連ね、皆27分台の記録ではありますが、28分台でも一流といえます。
創意工夫で練習を重ね、自分を追い込むこともできるという川内選手にも通じる平井選手
彼の今後には注目していきたいと思います。