この鉋は大工さんが持っていた物だ。 今は私が預かっている事になっている。 この大工さんももう高齢で仕事してないから、返し小手くれとも言わない。 これ堤さんの鉋らしい。 暫く引出でお休みしていたし、今回取り出して調子を見た。 今日改めて研ぎ直したが、どうも刃先に傷が有るらしい。 挽いて見ると鉋屑は割れている。 どうも中砥から じっくり研ぎ直しが必要らしいので、今日は止めておこう。 また時間が有る時に研げばよい。 今やると 返って駄目にしそうだ。 今日も次々と 鉋を変えて薄削りを楽しむが、一丁を深く追求した方が技術の意上達には良いのではと 何時も思う。 飽きっぽい私は それが出来ない。 まあ一応削れればそれで良しとして、次に移る。 こんなんじゃ 上手くなる訳ないよなと思う。 この削りも結果は良く無い。 今回は少し厚めに削って ごまかしている。
調子に載って もう一丁引出しからこの鉋を取り出した。 これも古い物だ。 一応整備して有るが、台が余り良く無い。 台下端の台頭側に 若干割れが有る。 だからか知らないが出して見ると若干狂いが出て居る。 それを修正しながら 少し削って見た。 余り調子良く無い。 やっとこの程度削れる様になった。 暫く使うと刃先に細かい傷が出来ていた。 それを一度研ぎ直して やっとこの程度の削りだ。 まあこんな物だろう。 台は替えた方が良さそうだ。 電池を入れ替えたマイクロメータで測定すると16ミクロン程度だが、厚みには若干ムラもある。 杉材の冬目の部分が 厚みを稼いでいる様だ。 この鉋私の感覚としては今一と言う所だ。 だから骨董市に出て来たのかな。 しかしこう言う遊びには 十分だ。 削ってなんぼの物では無い。 単に屑として、燃えるゴミを増やして黄色い有料ゴミ袋一袋を使って処分する非生産的な行為をやっている。 まあそれでも 削りは案外と面白い物だ。