雪中の総選挙2014はマスコミなどで予想されていた通り、アベノミクスへの信任と消費税の再値上げ延期を掲げた与党が、解散前の2/3の議席数を確保する勢いです。
2週続きの寒波と日本海側の大雪が影響したと言われる投票率は、戦後最低となるようですが決して天候のせいだけではないと想われます。
そしてテレビの解説のように、投票率の低さは何も無関心の結果ばかりでもありません。実際には、現在の政治に大きな反対では無く、このままで大丈夫という意見も含まれていると解釈すべきです。大きな不満があり今の政治を変えて欲しいと想う人が多い程、投票率の高い活発な選挙戦になるはずです。
最近の小選挙区制度では与野党が拮抗していて、支持政党無しの浮動層といわれる人達の投票行動によって、大きく結果が左右されることになってきています。本来投票率の低い時にも選挙に行くという浮動層は正確には浮動層ではなくて、簡単には投票には行かない人達を動かすほどの不満(それは多くは政府への批判票となります)が無ければ、現政権に概ね満足していることだと解釈した方が良いと想います。
また、今回の解散を巡って「大儀な無き解散」という言葉がマスコミで喧伝されたことも、異常な関心の低さを招いたという反省もして貰いたいと想います。そういう状況を作っておいて大切な権利だから投票に行こうと呼び掛けたり、投票率の低さを問題視することに矛盾や違和感を感じました。
政策の小異点にこだわる野党の分裂や準備の無さも与党有利に働いたと考えられます。江田維新の党共同代表の目差す2大政党制の再現もかなり遠のいた感があります。与野党が拮抗して影の内閣のことが話題になったりした頃は、勝手なファンタジーではなくもっと現実的な責任感のある政策論議がされていたように想います。
プロフェショナルは準備不足を言い訳にできません。政治を生業とする者は何時いかなる時も臨戦態勢の緊張感を持っていなければならないと言われます。準備不足や奇襲解散のようなことを口にする政治家は恥じるべきでしょう。
野党はアベノミクス反対ということでしたが、具体的にどういう政策を考えているのかが見えて来なかったように想いました。特に野党には今後この内外の厳しい変化や状況を踏まえて国益を勉強し直し、アベノミクスを超越しよく考え抜かれた政策提案を経済・外交・福祉・安全保障ともに期待したいと想います。
与党の獲得議席数は解散前と同じようなものになりそうですが、2年前は民主党政権に対して逆風が吹いた結果でしたが、今回はアベノミクスに対して経済復活を託す意志が示されたものではないでしょうか。