先週8月9日のNHK「
キッチンが走る」は夏のスペシャル「京都の“台所”をゆく~舞鶴・丹後~」でした。
通常はレギュラーの杉浦太陽さんと料理人が2人でキッチン・カーで旅しながら、地域の食材を見つけ新たな料理を創作し、生産者を招待して披露し喜んで貰うというものですが、今回はスペシャルらしく京料理の重鎮
村田吉弘さんとフランス料理の
加賀田京子さんが、生産者との心温まる交流に応えるべく協力し合って感動的な仕上がりとなりました。
2人の料理の発想の素晴らしさはもちろんですが、僕には興味を惹かれる食材が多くありました。
先ず「とり貝」の養殖が舞鶴湾で行われていましたが、砂地を模した活性炭の中で臭みのない美味しい貝が育てられていました。10年越しの試行錯誤の後に初めて開発された素晴らしい養殖法です。他の養殖にも応用できるものではないでしょうか。
また、プリンスメロンが作られる前に広く栽培されていたという
ニューメロンが紹介されました。現在のマスクメロンなどの柔らかい果肉とは違って、シャキシャキとした野菜の歯応えも少し残っているようでした。僕の子供の頃の記憶ではマクワウリのような味わいを想像しながら視ましたが、料理人は熱を通してより甘味と新たな食感を引き出し、ジャージー牛乳を活かしたパイにアレンジしてとても美味しそうでした。収量的に地元からは出ていないようでしたが、これからまたニューメロンが注目されることになるかも知れません。
伊根町の民宿漁師のおじいさんが語っていた「同等一栄」(みんな同じように栄えよう)の精神が、地域の人達の心に今も根強く残されていることを知りました。2人の料理人と地元の食材がコラボレーションし、本当に「同等一栄」のように表現されていた料理でした。
※ 舟屋で有名な伊根は以前に友達とオートバイ・ツーリングで訪れたことがありました。漁港を巡る遊覧船で群がる海鳥に餌を投げながら、海から眺めた
舟屋のある風景を想い出します。地元のお寿司屋さんで食べた新鮮な握りも美味しかったです。