テレビ・ワイドショーでも採り上げられましたが、スペインの人口5,000人程のボルハ市の小さな教会の壁に描かれたキリストのフレスコ画が、地元の自称画家のセシリア婆ちゃんに修復を依頼したところ、お猿さんのような似ても似つかぬ感じになってしまったという話題が、その後面白い進展を見せているということで再度注目を浴びているようです。
余りにも変わってしまったそのキリストの表情が意外に剽軽で憎めないということで大人気となり、国内外から取材も殺到し観光客が人口と同じくらい訪れ、俄に市の景気浮揚に大きく貢献しているということです。その壁画をテーマにしたTシャツを始めとして、クレープやチョコレートなど名物土産といった便乗商品も作られ盛り上がっています。張本人のセシリア婆ちゃんの個展開催の企画まで起こっているようです。
市住民の声としては宗教的な理由もあり早く修復すべきというものは当然として、暫くこのままで経済効果も考えて対処して欲しいという要望も日増しに強くなっているようです。日本の専門家のインタビューによると修復は一応可能だが、新たに乗せられた油絵の具を取り除く作業にできるだけ早く取りかかる必要があるということでした。
僕の無責任な意見を言わせて貰えれば、今の騒動が一段落して観光客も少なくなってきた頃に、まだ修復途中だと主張しているセシリア婆ちゃんに最後まで修復して貰い、その出来映えをまた世界中から見に来て貰った後に、最後に正式な修復方法できちんと元のイメージの絵に戻して貰うことで、3度の景気振興を企むというのはどうでしょうか。