昨日のMBSの夕刊ニユース「VOICE」の特集で、「団地に萌える」人達のことを紹介していました。高度成長期を担った多くの人達のための憧れの住まいとして、都市周辺に開発された団地が老朽化し、建て替え時期になってきているのは周知のことです。しかし、今またその時代の生活を彩った夢や空間のアート性が、懐かしい世代ばかりではなく、新しい世代(若者)にまで広く見直されるようになっています。
千里山にも関西で初めて公団の集合住宅団地として開発された千里山団地があり、いわゆる千里ニュータウンよりも約10年ほど早く建設され、もう既に半世紀が過ぎています。特集にも出てきました人気のスターハウス(星型住宅)も、その長い年月を感じさせないままに何棟か残されています。千里山団地は起伏のある丘(霧が丘・星ヶ丘・虹ヶ丘・月が丘)に作られていますので、坂道の途中にある桜の木立に囲まれたスターハウスは、また特別にその美しい個性を発しているのを感じます。
建物が老朽化するのと同じように桜の木々達も老木になり、最近は立ち枯れて切り株になってしまった跡を見るようになりました。でも住人が少なくなった現在でも、その庭園や道端などには四季の草花が咲き乱れ、野鳥や虫たちがたくさん息づいています。再開発の計画が進み建物が変わっても、半世紀をかけて“街山”(里山に対してこう呼びたいです)となっているこの貴重な自然は、住民の願いで守り活かしていかなければと思います。
※「千里山.NET」×「街並み案内」から「公団千里山団地」ページをご覧下さい。