午後に一休みする時間にテレビを点けるとNHK『にっぽん木造駅舎の旅』で「姥捨駅」編をやっていました。Wikipediaによると元々はNHK衛星(BS1)で放送されていた鉄道番組で、一編5分で一つの鉄道駅を紹介するミニ番組でした(2009年3月27日から2009年7月3日にかけて放送された「春編」と、2009年10月12日から放送された「秋編」からなり、2010年度は週1回新作が放送された。2011年3月で終了)。今も時々見ますが再放送のようです。
毎回旅情あふれるナレーションに魅入ってしまいますが、今回の「姥捨駅」編は特にいろいろと見るべきところが多く良かったです。姨捨駅は長野県の篠ノ井駅と塩尻駅を結ぶ篠ノ井線の駅で、海抜547メートルの地点にあります。ホームから望む景色は、国鉄時代に発表された日本三大車窓のひとつです。
特に人気なのは古戦場「川中島の戦い」でも知られる善光寺平を見下ろすその眺望と、スイッチ・バック方式 (YouTube)で車両の前後を切り替えながら進み、次第に高度を上げて行くそのユニークな運行が見られるというところでしょうか。車窓から見下ろせる棚田風景も美しいものがあります。駅舎の中は白壁と落ち着いた木彫の窓に緑の木々が爽やかに映えて、ゆっくり座って行き交う人々を眺めていたいと想う雰囲気です。
僕の住んでいる吹田市の千里山駅も20年ほど前に建て替えられるまでは、同じような白壁に3角形の屋根が特徴的なものだったことが古い写真でも伺えます。「姥捨駅」はローカル線であり千里山駅は都市郊外の私鉄沿線という違いがありますが、その設計イメージは似たような時代のデザインになっていて興味深く想いました。