雨に流されて
雨に流されて
裂けた石段の上を
君が息切らして
裸足で駆け登ってくる
ここへ!
今は悲しみを捨て
古い足跡も消えた
逆巻く川は膨らんで
渡り終えた橋を落として
呑み込む!
嵐の中は不思議な静寂(しじま)
聞こえる声はただ君の鼓動
雨の泥濘(ぬかるみ)をはねて
髪の解れは振り乱れ
滲んだ白い指の切れた
朱い血さえ洗い流して
止まない!
夢見る春は輝く野辺に
丸木造りの小屋を建てて住もう
雨は雲を呼び集めた
夜にこうして旅立った
振り向く顔をし吹いていく
風が運んだ木の葉二つ
繋いだ手だけで互いを確かめ
微笑み返す君の手の冷たさに
祈る!
僕は待つ限りない
歓びを抱いて水辺に立ち
君を乗せる笹舟は
舵さえ無かった
君は叫ぶ限りない
歓びよ空へ届けとばかり
狂い踊り渦巻いて
二人彷徨う
僕は立つ限りない
歓びを抱いて夜明けに向かい
君は眠る笹舟に
すべて任せて
作詞・曲 コバタイサオ
(c) 2007, Skyfull Stars
※ 集中豪雨は時に人の心の扉を叩き続け、不思議に静かな一瞬さえ夢見させて、何事も無かったように僕らを残して去っていきます。
※ 音楽情報はブログ「季宙ブラウズ」でも特集していますのでぜひご覧下さい。