二、午前十二時
る、る、る、る、る、る、る、る、る、る、る。
脱穀器は小屋やそこら中の雪、それからすきとほったつめたい空気をふるはせてまはりつゞけました。
☆語(言葉)が全てである。自由な字で示(教える)
脱(自由になる)と、告げる。記は照(あまねく光が当たる=平等)を憶(思いめぐらす)。
注(書き記す)説(話)は、句(言葉)が基である。
『旅人』
宙に浮いた球体にいろいろな物が張り付いている。
百獣の王ライオンは強さ、あるいは尊厳だろうか。
椅子…シートの位置が極端に低いのは地位の低さを暗示しているのだろうか。
トルソー(女体)は、生理的な希求だろうか、単に男女は一対(一体)の意味かもしれない。
樽は、水あるいは酒(?) 水は生命維持に必須であり、その背後に袋が見えるがお金あるいは食糧・・・。
吹奏楽器は、声、メッセージの発信。
ミシンが見えるが、旅人は妻も傍らに同行しているという意味か。
イーゼルらしき棒の形も見えるから、作品制作は旅のつれづれ、日常の仕事である。
鏡・・・世界を映す鏡であり、過去や未来をも孕む精神界を映す鏡である。
そして以上、これだけがわたくしマグリットの必要最低限のシンプルな荷物であり、これを以って、生きている。
生活者というより、浮遊する魂の彷徨・・・地上(現実)を離れ浮世離れした感覚で生きている、まるで旅人なのでございます。(というマグリットの告白めくつぶやきだと思う)
(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)
菩薩樹皮の厚いけらをかぶつて
さつきの娘たちがねむつてゐる
爺さんはもう向ふへ行き
射手は肩を怒らして銃を構へる
☆簿(ノート)の冊(書付)は、寿(命)である。
秘の講(話)は、常(変わることのない道理)也。
恒(変わらない)講(話)は、赦(罪や過ちを許す)趣(考え)を兼ねている。
度(きまり)は、等(平等)の講(話)である。
だれも、そのことでぼくに文句をつけることはできまい。だって、彼のほうは、ちゃんと命令をあたえる人間が上にいてくれて、それだけでもぼくよりずっと有利な立場にあるんだ。
だから、自分しか頼りにできないぼくがすこしぐらい中傷したってかまわないじゃないか。
☆誰もわたしを批判することは出来ない。彼は自身に任務を与えてくれる人がいて、わたしよりずっと有利な立場にある。完全に自分しか頼れないわたしが、先祖を少しぐらい中傷しても許してくれるのではないか。