続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『耕耘部の時計』㉜

2018-09-28 07:14:27 | 宮沢賢治

赤シャツの農夫はすこしわらってそれを見送ってゐましたが、ふと思ひ出したやうに右手をあげて自分の腕時計を見ました。


☆釈(意味を解き明かす)と、脳(中心)が二つ現れる。双(二つ)を視(気を付けて見て)推しはかる。
 幽(死者の世界)は殊(普通とは違っている)
 弐(二つ)の文を一つの字で啓(導き)兼ねている。


🈞マグリット『アルンハイムの地所』④

2018-09-28 06:48:33 | 美術ノート

 アルンハイムの地所・・・特定された場所(時空)を指している。
 鷲という猛禽類が高く聳え立ってる、実際よりはるかに巨大である。たとえば、実物より大きく見せる支配者、独裁者に至る権力の猛威・・・。
 見る者は、鷲が両手を広げ今にも飛び立つような脅威をイメージする。それが動かない山であると知っていても、洗脳されてしまう傾向にはしる。

 妄想・・・現実を飛躍させて信じてしまう。
 二十六日の月の南中、真昼に星は見えないはずの星も、疑念を残さない。
 巣籠の卵が場所を違えたレンガの柵の上にあることも受け入れてしまう、あたかも鷲の形をした鷲が産み落としたかのように関連付けてしまう脳の作用。

 月/星、鷲の形状の山、人工物の上の巣籠の卵・・・この三つの不自然さを抵抗なく受け入れてしまう精神の柔軟さ(錯視)は、イメージの持つ特質であり、異世界への開口である。
 不条理の集積が条理と認識される異空間の幕開けである。


(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)


『小岩井農場』110

2018-09-28 06:40:01 | 宮沢賢治

  雨のなかでひばりが鳴いてゐるのです
  あなたがは赤い瑪瑙の棘でいつぱいな野はらも
  その貝殻のやうに白くひかり
  そこの平らな巨きなすあしにふむのでせう


☆天(天上の世界)である冥(死後の世界)の釈(意味を明らかにする)の目(見方/観点)を納(受け入れ)極(きわめる)也。
 皆(すべて)較(くらべ)迫(おいつめる)。
 定(変わらず)蔽(見えないようにし)拒(よせつけない)


『城』3037。

2018-09-28 06:30:08 | カフカ覚書

かわいそうに、きみは、そいつのために破滅してしまった。ただ束の間にすぎないもの、亡霊、古い想い出、所詮は過去になってしまった、そして、ますます過去のものになっていく昔の生活、こうしたものをいまのきみの生活であるように思いこみ、その錯覚にまけてしまったのだ。


☆ただその瞬間、幽霊、古い記憶は錯覚になり、そのために絶望してしまった。より多くの昔の生命の死がきみの今の現実の生命である。