続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『耕耘部の時計』㉗

2018-09-20 07:21:26 | 宮沢賢治

「これで午だ。」天井でも叫んでゐます。
 る、る、る、る、る、る、る、る、る、る。
 器械はやっぱり凍ったはたけや牧草地の雪をふるはせてまはってゐます。


☆語(言葉)を転(ひっくり返すと)照(あまねく光が当たる=平等)の記がある。
 解(わかること)は、套(被っている、隠している)。
 目(ねらい)は総て知(知らせる/物事を考える能力)の説(話)である。


🈞マグリット『弁証法礼讃』②

2018-09-20 06:52:22 | 美術ノート

 リアル感の乏しい平面的な外装や薄曇りの空、そこに設えた窓から見える景の中に、建屋が内包されて見える。
 窓は全体の中の一部である、その一部分から窓を所有する建屋全体が見える。窓の内部の部屋に鎮座しているという不思議な(矛盾した)光景。

 この光景の矛盾を解けという命題である。
 背景が描かれていないが、地上からどれだけ離れているのかは不明である。中空という設定だとして、焦点はこの部屋に内包された一見の建屋にある。
 大は小を含むが、小は大を阻むのが通常の見方である。逆遠近などでもなく、物理的法則の否定は現実にはない現象である。

 ただ時間という条件を与えるならば、生物の連鎖(DNA)において個が複数を孕むということは周知のとおりであり、矛盾は解消される現象がある。
 個の中に世界的視野を持つということも決して幻想などではない。

 窓から見える複数の窓を持つ建屋の全体が室内に納まる現象は、矛盾の肯定を証明する術である。


(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)


『小岩井農場』105

2018-09-20 06:35:15 | 宮沢賢治

    《幻想が向ふから迫つてくるときは
     もうにんげんの壊れるときだ》
  わたくしははつきり眼をあいてあるいてゐるのだ
  ユリア ペムペル わたくしの遠いともだちよ
  わたくしはずいぶんしばらくぶりで
  きみたちの巨きなまつ白なすあしを見た
  どんなにわたくしはきみたちの昔の足あとを
  白亜系の頁岩の古い海岸にもとめただろう
    《あんまえいひどい幻想だ》


☆現れる双(二つ)の講(話)が博(大きく広がり)回(まわる)。
 現れる掩(隠れた)拠(よりどころ)の魄。
 現れる釈(意味を明らかにする)を束ね、迫(せまる)。
 吾(わたくし)は、啓(申し上げる)、訣(人との別れ)は眼(かなめ)であると。
 個(一人一人)皆を願い、厳(おごそか)に喪(弔う)。


『城』3032。

2018-09-20 06:25:52 | カフカ覚書

ぼくたちの関係にいたっては、なおさらそうだ。ぼくたちは、それぞれまったくべつな世界の人間どうしが出会ったのだ。そして、ふたりが知りあってから、それぞれの人生は、まったく新しい道をたどりはじめた。いまだに不安な感じだ。あまりにも新しい道だからね。


☆わたし達の先祖は、まったく別々な世界からいっしょに出現したのだ。互いに知り合って以来、人生は全く新しい道をたどった、ただ不安な予感がしたのは、とにかくあまりにも未知の世界だったから。