続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

デュシャン『フレッシュ・ウィドウ』

2020-05-07 06:55:58 | 美術ノート

   『フレッシュ・ウィドウ』

 新しい未亡人、初々しい未亡人(?)未亡人を、新しい誕生のようなめでたく祝うような雰囲気である。哀と楽が混沌としており、共有している感もある不思議なタイトルである。

 しかし作品は暗く閉じている。不明であり隠蔽、秘密の闇、暗黒、恐怖ですらある。開けてはならないタブーの窓を予感させる。少なくとも「さぁ、お入りなさい」という歓迎のムードもなければ、「みなさん、こんにちわ」という解放感など微塵もない。
 本来、窓というものは(内と外)をつなぐものであり流通を由とするが、人の出入りする通行口ではない。
 鑑賞者は窓の外に位置するとして漆黒の窓の向こうを凝視する、もちろん何も見えない。

 ウィドウということは伴侶の死を意味する。たった今、伴侶(男)は死に、ウィドウ(女)が残された。事件である。この事件は一人の人間の変身を暗示している、なぜならフレッシュという刹那に悲劇はなくロマンの香りさえ漂う妖しさが隠れているからである。


 写真は『DUCHAMP』ジャニス・ミンク www.taschen.comより


『忘れえぬ人々』141.

2020-05-07 06:25:11 | 国木田独歩

朝日は輝く浮世は忙わしい。
「しかし僕はじっとこの琵琶僧を眺めて、その琵琶の音に耳を傾けた。


☆弔(死者を悼み)化(教え導く)記である。普く精(こころ)の謀(はかりごと)である。
 目(ねらい/観点)は備(あらかじめ用意してあるもの)を把(つかむこと)である。
 双(二つ)の帖(のーと)には備(あらかじめ用意してあるもの)を隠している。
 字の計(図りごと)である。

 

 


『城』3411。

2020-05-07 06:10:55 | カフカ覚書

ところが、フリーダが、だしぬけに酒場からいなくなってしまったのです。それがあまえい突然だったものですから、この家のご亭主は、すぐに手もとに適当な代役が見つかりませんでした。さがしているうちに、ふとご亭主の眼がわたしにとまったのです。もちろん、わたしだって、適当に目だちやすいところへでしゃばっていたわけですけれど。


☆フリーダが突然酒場(死の入口)から見えなくなったのです。あまりにも突然だったので、すぐには代わりの人がいなかったのです。探しているうちにペーピに目が止まりました。明らかに出しゃばっていたのですが。