続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『セロ弾きのゴーシュ』了。

2019-09-25 06:15:53 | 宮沢賢治

 そしてまた水をがぶがぶ呑みました。それから窓をあけていつかくゎくこうの飛んで行ったと思った遠くのそらをながめながら
「あゝくゎくこう。」あのときはすまなかったなあ。おれは怒ったんぢゃなかったんだ。」と云ひました。


☆推しはかり呑(他を取り込む)。双(二つ)の秘(人い見せないように隠す)講(話)は、詞(言葉)で縁(つながっている)。
 度(悟りの世界)を運(めぐらせている)。

※ゴーシュ(地球の精神)は、かっこう(死にゆく人)に、頑張れと励ましつつも涙していたはず。楽長(太陽)が率いる町の活動写真館(死者を悼み一つにまとめ導いていく、そして罪や過ちを許し眞正に入れ替える)には(トランペットはトから土星、クラリネット・木製だから木星、ボーボーは燃えるから火星、ヴァイオリンの二いろは水色と金色から水星と金星、そしてゴーシュは地球…惑星をそろえている)

 みんなで演奏した天体の音楽ショーはインドの虎狩り(雷)、大きな白いリボンをつけた人(司会者)はきっと月。しいんとなって一生けん命聞いていた聴衆は冥府の人たち。
 宇宙を舞台にしたドラマ、涙そうそう・・・胸が熱くなる物語でした。


『城』3269。

2019-09-25 06:04:32 | カフカ覚書

ドアがしまったままのところでは、ドアのまえに書類がていねいにつみあげられた。こういう場合、近所の部屋は、すでに書類が配達されているのに、ドアの動きがすくなくなるどころか、かえってはげしくなるようにおもわれた。


☆計画が閉じたところでは、綿密な記録が計画との仕切りに重なっていた。かかる死は計画の周りの激動で弱まることはなかったが、それにもかかわらず、すでに記録は分けられ、より早く強められるように見えた。


若林奮『1-2-4』港に対する攻撃Ⅱ

2019-09-24 06:46:35 | 美術ノート

   『1-2-4』港に対する攻撃Ⅱ

 港って何だろう。海と接線を持つ陸地・・・海と陸地の温度差、太陽による温められ方に差異があるので、海風・陸風・凪という風(空気の振動)の方向性に変化が生じる。

 作品は本の途中ページの境界に暴力的とも思われる圧力が提示されている。
 本は何を暗示しているのだろう、地球の歴史かもしれない。地球は一枚岩でそれが七大陸に分裂し、現在の形になったらしいが、ここでは一冊の本に具体化されている。

 地球の特性は《港》があることである。つまり海と陸地、水が人類を誕生させ歴史を刻んできたのであれば、『港に対する攻撃』とは自然の威力、台風であり地震などの脅威(圧力)かもしれない。人類には抗しがたい超強力な変化。

 光エネルギーによる攻撃、寒冷化と温暖化~氷河期~温暖化・・・原人誕生~石器を使い火を使うホモ・サピエンス。

 この攻撃は地球の歴史に向けられたものだと思う。
 始まりは自然の猛威、しかし、現在では人類が地球を変えつつあるのではないか。

『1-2-4』港に対する攻撃Ⅱは、今や、わたしたち人類が地球の歴史を脅かす、攻撃する側に回っているのではないかと示唆を促す暗示を感じる。


 写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館


『セロ弾きのゴーシュ』105.

2019-09-24 06:22:27 | 宮沢賢治

「いや、からだが丈夫だからこんなこともできるよ。普通の人なら死んでしまふからな。」楽長が向ふで云ってゐました。
 その晩遅くゴーシュは自分のうちへ帰って来ました。


☆常に譜(物事を系統的に書き記したもの)には附(つき従う)二つの図りごとの詞(言葉)がある。絡(すじみち)は弔(死者を悼むこと)を交えて運(めぐらせている)。
 番(組み合わせる)質(内容)は、字で部(区別した)記に頼る。

※番(組み合わせる)質(内容)は、自(わたくし)が聞いたところの、鬼(死者)は雷(神なり)ということである。


『城』3268。

2019-09-24 06:10:58 | カフカ覚書

書類車は、たいていのドアの前で泊まった。すると、たいていのドアがひとりでに開かれて、しかるべき書類が室内に手渡されるのだった。書類は、紙きれ一枚のこともあったが、こういうときは、室内と廊下とのあいだにちょっとしたやりとりがあった。それは、従僕のほうが文句をつけられているのであるらしかった。


☆小さな車は、たいていは企ての前で泊まった。常に企ては公開されており多くの傷痕は先祖の小新聞に記録として所有されていた。先祖の氏族の会話の進行は、死者に非難が向けられていることが、テーマとして差し出されているらしかった。


若林奮『1-2-3』犬から出る水蒸気②

2019-09-20 07:11:21 | 美術ノート

 犬から出る蒸気、つまり呼吸であり、エネルギーの発散である。そして《生きていることの証明》でもある。

 それらの蒸気は水を含んだ気体であれば、すぐに周囲の空気に同化してしまう現象である。刹那的に、しかし持続する現象は決して同じ形を取らない。

 犬(生命体)の必須条件である炭酸ガス等の排出は、空気(酸素)を吸うと同時に炭酸ガスを出す装置でさえあるが、その関係の報告(質量としての具象化)は見たことがない。なぜなら数値に記録できず、なにより可視化がないからである。

 犬(生命体)から出る蒸気を凝視し観察するという試みである。
 吹き上げるUPの力(生命の持つエネルギー)、引き下ろすDownの力(重力)の均衡。
 不均衡である、ゆえにエネルギーを消費する仕組みが犬(生命体)には備わっており、重力に拮抗するエネルギー(蒸気)が必須なのである。

 エネルギーの消失(死)は、総てを地に還元させるかもしれないが、《犬から出る蒸気》は、《生きて在る必須条件》であり、《生の証明》でもある。


 写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館


『セロ弾きのゴーシュ』104.

2019-09-20 06:42:58 | 宮沢賢治

「ゴーシュ君、よかったぞお。あんな曲だけれどもこゝではみんなかなり本気になって聞いてたぞ。一週間か十日の間にずゐぶん仕上げたなあ。十日前とくらべたらまるで赤ん坊と兵隊だ。やらうと思へばいつでもやれたぢゃないか。君。」
 仲間もみんな立って来て「よかったぜ」とゴーシュに云ひました。


☆訓(おしえみちびくこと)を極(きわめる)。
 翻(形を変えてうつす)記の文は逸(隠れており)終りまで換(入れ替える)。
 詞(言葉)は常に等(平等)を化(教え導く)。
 全ての釈(意味を解き明かす)謀(計画)は蔽(見えないようにしている)。
 他意の詞(言葉)がある。
 訓(教え導くこと)を注(書き記すこと)を兼ねた律(決まり)の記を運(めぐらせている)。


『城』3267。

2019-09-20 06:32:37 | カフカ覚書

 遠くのほうからひとりの従僕が、書類をつんだ小さな車をゆっくりと押してきた。もうひとりの従僕が、そばについていて、手に一枚の表をもっていた。あきらかにドアの番号と書類の番号とを突き合わせているらしかった。


☆遠くの方から先祖の氏族である従僕(死者)が、記録類を小さなはかりに乗せてやって来た。先祖を言及する死者がそれを持ってきた。手に先祖の名簿を持ち、今や企て(?)となったあの記録とを明らかに照らし合わせているらしかった。


若林奮『1-2-3』犬から出る水蒸気

2019-09-19 06:42:18 | 美術ノート

   『1-2-3』犬から出る蒸気

 犬から出る蒸気・・・エネルギーの発散、呼 吸だろうか。
 犬(生命体)から発せられる蒸気の形ということである。液体(汗)からの蒸発あるいは個体(身体)からの昇華が気体になったもの…その見えない空気中の揺れ(振動)を質量に還元して見せたものである。(もちろん質的に還元不能であるが)

 あくまで精神的解釈による具体化であり、物理的な計測はできない。推論としての計測は万人には受容しかねるかもしれないが、可能な限り《実感》に基づいたものとして見ることが前提条件である。

 気泡の上にさらに気泡の層があるが、傍らにそれを引き落とす力が働いている。重力は均等にかかるから、バランスを崩す部分的な引力は犬(個)の所有する負荷かもしれない。

 犬(生命体)から発せられる蒸気(消費エネルギー)は、かくも重く非情であるが、即ち、生きるとはこういうことである。


 写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館


『セロ弾きのゴーシュ』103.

2019-09-19 06:29:26 | 宮沢賢治

 するとみんなが一ペンに顔をこっちへ向けてゴーシュを見ましたがやはりまじめでべつにわらってゐるやうでもありませんでした。
「こんやは変な晩だなあ。」
 ゴーシュは思ひましたところが楽長は立って云ひました。


☆逸(隠れた)信仰の講(話)が現れる。
 遍(もれなく)番(組み合わせる)詞(言葉)の絡(つながり)がある。
 調べる律(決まり)を運(めぐらせている)。