12月5日、アブダビで開かれていたOPEC総会で、増産見送りが決まった。今朝のWSJ紙によれば世界景気がスローダウンすれば原油の需要が落ちるとの警戒感が出てきたためと解説している。
NY原油先物相場は、OPEC増産を織り込み、バレル90ドルを割るところまで値下がりしていた。12月5日、NY原油先物市場では、OPEC増産見送り決定で、原油先物相場は小幅値を戻して、バレル88.86ドルで取引された。
OPECの立場で物事を考えれば、自然の成り行きである。OPECの増産余地が2003年当時の日量50万バレルから現時点では日量350万バレルレベルまで拡大しているとの情報があると今朝のWSJ紙は紹介している。
ここは日量50万程度の増産で、下手に動く手はない。サブプライムローン問題の成り行きも見極めたい。不需要期に入れば当然、原油在庫は増加に転じる。次回2月1日開催予定の会合で結論を出しても遅くないとOPECメンバーは考えたのであろう。
原油ディーラーの立場で見ればどうか。100ドルへの過程が余りにも急ピッチだった。100ドルの「川」を越えて、130ドル、150ドルと値上がりする保証があれば、100ドルを一気に越えて攻め込んだであろう。彼らは、様子見を選んだ。結果、バレル90ドルを割った。
「休むも相場」という格言がある。相場自身が休みたがっているときは休みを取るに限る。車の運転も同じだ。休みを取らずに運転を続けると決まって事故を起こす。原油を買いたい客は、中国、インドと順番待ちの状態である。利に聡いことにかけては人後に落ちない中国人は、原油相場が80ドル割れまで待つ。下がらぬと見れば一転して、買いを入れてくる。
OPECメンバーは、腹の中では、虎の子の原油をバレル80ドル台で安定させたいと考えているに違いない。OPECメンバーの新入りのアンゴラは、日量180万バレルを190万へ、エクアドルは、50万を52万へ供給を小刻み増産予定とWSJ紙は紹介している。
一方、NY為替市場では、1ユーロ=1.4618ドル前後、1ドル=110.57ドル前後と小幅ドルは戻した。しかし、12月11日開催予定の米FOMC会合で、仮に0.5% 幅の利下げとなれば、ドル売りが復活する。今朝のNY株式市場の急反発も0.5%利下げ期待が底流にある。
今朝のCNNテレビを見ていると、クリントン候補が、議会に働きかけて、一時的に、サブプライムローン金利引き上げを凍結すると演説していた。サブプライムローン問題が米大統領選挙の争点(Issue)になって来た。2008年は、波乱の幕開けとなりそうだ。(了)
NY原油先物相場は、OPEC増産を織り込み、バレル90ドルを割るところまで値下がりしていた。12月5日、NY原油先物市場では、OPEC増産見送り決定で、原油先物相場は小幅値を戻して、バレル88.86ドルで取引された。
OPECの立場で物事を考えれば、自然の成り行きである。OPECの増産余地が2003年当時の日量50万バレルから現時点では日量350万バレルレベルまで拡大しているとの情報があると今朝のWSJ紙は紹介している。
ここは日量50万程度の増産で、下手に動く手はない。サブプライムローン問題の成り行きも見極めたい。不需要期に入れば当然、原油在庫は増加に転じる。次回2月1日開催予定の会合で結論を出しても遅くないとOPECメンバーは考えたのであろう。
原油ディーラーの立場で見ればどうか。100ドルへの過程が余りにも急ピッチだった。100ドルの「川」を越えて、130ドル、150ドルと値上がりする保証があれば、100ドルを一気に越えて攻め込んだであろう。彼らは、様子見を選んだ。結果、バレル90ドルを割った。
「休むも相場」という格言がある。相場自身が休みたがっているときは休みを取るに限る。車の運転も同じだ。休みを取らずに運転を続けると決まって事故を起こす。原油を買いたい客は、中国、インドと順番待ちの状態である。利に聡いことにかけては人後に落ちない中国人は、原油相場が80ドル割れまで待つ。下がらぬと見れば一転して、買いを入れてくる。
OPECメンバーは、腹の中では、虎の子の原油をバレル80ドル台で安定させたいと考えているに違いない。OPECメンバーの新入りのアンゴラは、日量180万バレルを190万へ、エクアドルは、50万を52万へ供給を小刻み増産予定とWSJ紙は紹介している。
一方、NY為替市場では、1ユーロ=1.4618ドル前後、1ドル=110.57ドル前後と小幅ドルは戻した。しかし、12月11日開催予定の米FOMC会合で、仮に0.5% 幅の利下げとなれば、ドル売りが復活する。今朝のNY株式市場の急反発も0.5%利下げ期待が底流にある。
今朝のCNNテレビを見ていると、クリントン候補が、議会に働きかけて、一時的に、サブプライムローン金利引き上げを凍結すると演説していた。サブプライムローン問題が米大統領選挙の争点(Issue)になって来た。2008年は、波乱の幕開けとなりそうだ。(了)