NY原油先物市場で、WTI原油(軽質油)が、前日比一気に4.37値上がりし、94.39ドルで取引された。ブレント相場(重質油)相場も、4.03ドル上げ、バレル94.02ドルで取引された。
原油相場は、100ドル目前まで上げたあと、サブプライムローン問題の解決が長引き、それが景気鈍化をもたらす。その結果、世界の原油需要を押し下げるとの見方を背景に、一時バレル85ドル台まで値下がりしていた。その後、値を戻したが、90ドル前後で膠着状態を続けていた。
原油相場は、一日で4ドル以上、5%近くも、なぜ急騰したのか。今朝のWSJ紙によれば、様々な要素が、原油相場を押し上げたとして、専門家の見方を紹介している。
第1に、Goldman Sachsが、2008年年末時点のWTIの目標相場を、バレル105ドルへ引き上げた。ゴールドマンのご託宣が投機資金を刺激した。OPECが原油増産を見送った理由は、原油相場が70ドル台まで暴落するとの有力産油国の意見が影響していた。
第2に、米FRBが、期間限定で、低利での入札により、400億ドルの資金を金融市場に供給する。英国、カナダ、スイスそれぞれの中央銀行が協調して資金供給すると発表した。サブプライム問題解決の長期化を懸念して、避難していた投機資金に元気を与えた。
第3に、米国の週べ-スの原油在庫が、12月7日締めで、70万バレル減ると米EIA(エネルギー情報省)が発表した。さらに、製品在庫が、昨年比6.9%、80万バレル減少との発表は、全く予測していなかった。サプライズは相場のカンフル剤になりやすい。
第4に、米EIAの発表が、ガソリン相場をガロン5.3%、12.14セント、燃料油を4.8%、12.02セントそれぞれ引き上げた。ガソリン、灯油の値上がりが、原油相場反発を支援した。
原油相場反発につれて、お決まりのコースであるが、金、プラチナなどの貴金属、小麦、大豆、砂糖、コーンなどの農産物相場も軒並み値上がりした。特にコーンは、3.5ドル台まで値下がりしていた。目を離している隙に、ブッシェル4.33ドルまで値上がりしている。
12月12日、NY株式市場は、中央銀行による協調資金供給に反応して、一時250ドル以上値上がりしたが、サブプライムローン問題の深刻さを改めて認識させたようで、あと急落、引け間際で小幅戻して、前日比41ドル高、13,473ドルで取引を終了した。
日本では、今年の漢字に「偽」が選ばれた。偽者か本物か。見抜く目が求められる。(了)
原油相場は、100ドル目前まで上げたあと、サブプライムローン問題の解決が長引き、それが景気鈍化をもたらす。その結果、世界の原油需要を押し下げるとの見方を背景に、一時バレル85ドル台まで値下がりしていた。その後、値を戻したが、90ドル前後で膠着状態を続けていた。
原油相場は、一日で4ドル以上、5%近くも、なぜ急騰したのか。今朝のWSJ紙によれば、様々な要素が、原油相場を押し上げたとして、専門家の見方を紹介している。
第1に、Goldman Sachsが、2008年年末時点のWTIの目標相場を、バレル105ドルへ引き上げた。ゴールドマンのご託宣が投機資金を刺激した。OPECが原油増産を見送った理由は、原油相場が70ドル台まで暴落するとの有力産油国の意見が影響していた。
第2に、米FRBが、期間限定で、低利での入札により、400億ドルの資金を金融市場に供給する。英国、カナダ、スイスそれぞれの中央銀行が協調して資金供給すると発表した。サブプライム問題解決の長期化を懸念して、避難していた投機資金に元気を与えた。
第3に、米国の週べ-スの原油在庫が、12月7日締めで、70万バレル減ると米EIA(エネルギー情報省)が発表した。さらに、製品在庫が、昨年比6.9%、80万バレル減少との発表は、全く予測していなかった。サプライズは相場のカンフル剤になりやすい。
第4に、米EIAの発表が、ガソリン相場をガロン5.3%、12.14セント、燃料油を4.8%、12.02セントそれぞれ引き上げた。ガソリン、灯油の値上がりが、原油相場反発を支援した。
原油相場反発につれて、お決まりのコースであるが、金、プラチナなどの貴金属、小麦、大豆、砂糖、コーンなどの農産物相場も軒並み値上がりした。特にコーンは、3.5ドル台まで値下がりしていた。目を離している隙に、ブッシェル4.33ドルまで値上がりしている。
12月12日、NY株式市場は、中央銀行による協調資金供給に反応して、一時250ドル以上値上がりしたが、サブプライムローン問題の深刻さを改めて認識させたようで、あと急落、引け間際で小幅戻して、前日比41ドル高、13,473ドルで取引を終了した。
日本では、今年の漢字に「偽」が選ばれた。偽者か本物か。見抜く目が求められる。(了)