つうつうat上本町:出汁を売りにするお蕎麦屋さん
江嵜企画代表・Ken
上本町へ出かけた時には「つうつう」という名前のお蕎麦屋さんに立ち寄るように
なった。この店は、近鉄上本町駅ビルに隣接した「うえほんまちハイハイタウン」の
地下一階にある。
出汁(だし)を売りにしているお店だということは、店の表にも中にも目につく張
り紙でわかる。特に蕎麦の場合、出汁が武器になる。当店の出汁は後口がしつこくな
い。本来は、お蕎麦屋さんであるが、どんぶりもの、揚げ物、鍋物などいろいろ取り
揃えている。いずれ劣らずあっさりとした味付けが特徴である。
ハイハイタウンの地下には、おびただしい数のお店が軒を連ねている。味もやさし
いが、お値段もリーゾナブルなのがいい。味は基本だから大事だが、激戦区で生き残
るには値段が重要な決め手になる。無神経な値段をつけていると、生き残れないから
だろう。
飲み物もある。地酒も置いている。一口いただきたいときなど、生ビール(小)が
@300円、お酒一合@350円を見ると、ほっとする。日本酒のブランドは灘の生一本の
代表銘柄の一つの「白鹿」を置いている。
ターミナル駅の特徴の一つで、客の回転が速い。仕事の合間に抜けて来て、軽く腹
ごしらえして出て行く風情である。たまたまこの日は右奥の一角に年寄り仲間だろう
か、楽しそうに談笑しながら食事する光景を目にした。絵心を刺激されスケッチし
た。その時居合わせた客を入れて一枚にまとめた。
店の正面奥に躙り口のようなところがある。2~3人ほどのご婦人の店員さんが回
転よく客の注文をさばいている。彼女達と客とのやり取りを聞くとはなしに聞いてい
ると、リピーターが多いことが分かる。一人客が多い。男性もいるが、お年寄りのご
婦人の一人客が目につく。
特に、関西で生まれ育った人間にとって、歳を取ればなおさらであるが、真っ黒
で、塩気一杯の出汁には、正直なじめない。特に年寄りのご婦人客が多いのは、出汁
のやさしい味が魅力なのだろうと、勝手に想像している。
店の表に出れば、上本町6丁目交差点である。真田幸村の銅像が建っている。上本
町界隈には、来年のNHK大河ドラマで登場する真田幸村ゆかりの地が多い。日本では
朝ドラや大河ドラマがヒットすると全国区になるケースが多い。番組のおしまいに
「歴史スポット」として「上本町」が紹介されることがあるかもしれない。(了)