画・江嵜 健一郎
こちら神戸は予報では5日の日曜の夕方から雨だった。用心して昼前に例の更地に出かけた。先日桔梗を描いたとき、次はグロリアスの開花が近いと予想はしていたが、お待ちしていましたとばかりグロリアスが開花していた。
昨年は6月20日にグロリアスを描き当欄に紹介している。今年は更地のフエンスの外に芽を出した一本があれよ、あれよと言う間もなく成長、今日の開花となった。道端の側溝に腰を下ろして鉛筆デッサンしたのを今朝彩色した。
いつものようにグロリアスをヤフーのブログで検索した。
ラテン語の「gloriosis」(見事な)が語源。燃えるような鮮やかな花色と波打つように反りかえった華やかな花姿に由来する。
英語ではgrory lily(栄光のユリ)、flame lily(炎のユリ)なと呼ばれる。
葉先が巻きひげになり他の植物にからみつけながら伸びてゆくことからclimbing lily)(昇るユリ)と呼ばれる。
原産地はアフリカ、熱帯アジア。ジンバブエの国花。開花期は7~8月。日本ではユリグルマの名で知られている。花言葉は「栄光」、「勇敢」と出ていた。
スケッチのあとルーティ―ンの下草取りを始める。草は2日と目を離すとお構いなしに生えてくるから全く気が抜けない。
夢中になって下草取りしていたところ「あ、グロリアスの花が咲いてる」と甲高い声が聞こえた。両親とお見受けする二人と少女と3人がグロリアスを眺めていた。
フエンスの傍まで駆け寄って「難しいお花の名前をよく知っていたね。」と両手を挙げて「マル」を作ると、少女は「本に書いてあった。」と答えた。
当方が物知り顔にヤフーの受け売りで話し始めると、女の子が「根に毒があります」とフォローしてくれた。
ここで「すばらしい!」と二度目のマルを出すと、少女は満面笑顔で、両手を挙げてマルを作って応じてくれた。
小柄に見えたが小学校4,5年生かもしれない。話のあとすぐにその場を離れた。少女の後姿がゴムまりのようにはずんでいるように見えた。
ヤフーのブログでグロリオサを改めて調べた。「グロリオサは有毒成分(コルヒチン)を含有している。根が茶色で細長いことから山芋と間違って食中毒になって死亡した例が報告されている」とあった。
花の仲立ちで図らずも一少女とのやり取りも出来た。花を描いていると元気をもらえるが、今回のような出会いに恵まれると、花を育てていて本当によかったと感謝している次第である。(了)