堀文子特別展・香雪美術館
江嵜企画代表・Ken
1ケ月振りで猪熊佳子日本画教室に顔を出した。教室の仲間から、こんなに早く出て来られて良かった、良かったと声を掛けられ、嬉しかった。教室仲間のYさんが自宅マンション近くの香雪美術館で、日本画家、堀文子さんの日本画展が開かれていると教えてくれた。善は急げと早速出かけ、会場の様子をいつものようにスケッチした。
香雪美術館(フリーダイヤル:0120-410652)は、阪急電車なら御影駅、JRなら少し遠いが住吉駅が最寄り駅である。美術館西隣にある弓弦羽神社では名物の枝垂れ桜が満開だった。会場1階入って正面に「ご挨拶」なる文が貼ってあり、堀文子さん(1918年生まれ)の画歴が紹介されていた。
本画46点、素描16点、本展覧会の目玉である、雑誌「サライ」連載「命というもの」さし絵原画37点は特に見応えがあった。
「インカの祭」という絵が目にとまった。堀文子さんは、15世紀アンデス全域を統一し、大帝国を築き、1533年にスペインに滅ぼされた、インカ文明が残した織物、織物に描かれた動物、鳥、人の図柄に心ひかれたと解説にあった。
絵も素晴らしいが、心にしみる彼女の随筆は、絵と甲乙つけがたい魅力がある。「良寛の詩(うた)」という一文では、「思い掛けぬ大病で、体力の限界まで追い詰められた。(中略)あの時,永い眠りに落ち込もうとする私を、この世に呼び戻してくれたのが、良寛の詩だった。」と書いておられる。
本展覧会は5月5日まで開催されている。お時間が許せばであるが、筆者地元の神戸御影にある、香雪美術館、堀文子特別展に是非お運びいただければありがたい。(了)