学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表
米FOMCは12月14日、会合を開き、政策目標金利を0.25%上げ
年2.25%とすると発表した。NYダウは、米企業の大型合併発表、
FOMCの声明文で米景気堅調持続を確認したとして38ドル上げ
10,676ドル、ハイテク株主体のナスダック総合指数も上昇、今年の
最高値を更新した。
FOMC(公開市場委員会)の声明文によれば、①生産はおだやかに
上昇している、②労働市場は徐々に改善している、③インフレ率は
落ちついていると指摘した。
エコノミストは、今後の利上げの可能性にについて、
年明け2月2日、3月22日開催予定のFOMCの会合で再々利上げの
可能性を示唆している。2005年中に米国の金利が年3.5%まで
上昇することが視界に入ってきたようだ。
2004年の米GDP成長率も原油高にもかかわらず4%台を確保する
見通しが出てきた。2005年も現在の成長の「巡航速度」を維持する
との見方が背景にあるようだ。
一方、NY為替市場は、ドルは1ドル=105.55円、1ユーロ=1.33ドルと
小幅上昇した。貿易赤字データが発表後ドルは一端売られたがFOMCの
発表をうけてあと急速にドルが買い戻された。
FOMCの利上げ前に10月の米貿易赤字が554億ドルと過去最高を
更新したと米商務省は発表した。マーケットはそれを無視した。
10月の貿易赤字増加分の半分以上を原油高が占めている。
原油相場が現実の問題としてその後急落している。10月の
貿易赤字は「過去のデータ」として受けとめられた。それが一方方向の
ドル安に歯止めをかけたようだ。
NY株が落ちつきを取り戻したこともドル相場の先行きにプラスに働く
可能性を示唆した。米国株が堅調に推移すれば海外への米国からの
資金逃避にもブレーキがかかるとの希望的ながら前向きの観測も
生まれてきた。
先行きの天候に雲に切れ目が出てきたのであろう。
米大統領選挙が終わって第1最大の不透明要因が取り除かれた。
第2に足もとの原油相場高騰であるが、一部イラクなど地勢学的
不安定によりきな臭さを残しながらもOPECの減産発表で逆に
値上げがピークアウトしたことで第2の不透明要因が取り除かれ
ようとしている。
第3の不透明要因とされる米国の雇用状勢であるが、10月に33万増、
11月に11万増で2003年の8月以降230万人増加したとの発表で、
米国経済の先行きに多少の安心感が出て来ているのかもしれない。
経済は心の持ち方一つで良くも悪くも変ることが多い。ひとつひとつ
ノドにささった骨が取り除かれることが相場にとって一番の良薬になる
のであろう。
過去最大の10月の米貿易赤字拡大も相場にショックを与えなかった
ことが何よりの証拠であることを示している。過去は過去であるが、
アメリカ人は目を将来に向けようとしている。
今回のFOMCの利上げ発表が全てではないが、なにかと批判の
多い米国であるが、まだまだ米国から日本人が学ぶことは多いようだ。
講釈はいらない。口先ばかりの国会討論を聞いていると日本という国の
行き先が心配でならない。(了)
米FOMCは12月14日、会合を開き、政策目標金利を0.25%上げ
年2.25%とすると発表した。NYダウは、米企業の大型合併発表、
FOMCの声明文で米景気堅調持続を確認したとして38ドル上げ
10,676ドル、ハイテク株主体のナスダック総合指数も上昇、今年の
最高値を更新した。
FOMC(公開市場委員会)の声明文によれば、①生産はおだやかに
上昇している、②労働市場は徐々に改善している、③インフレ率は
落ちついていると指摘した。
エコノミストは、今後の利上げの可能性にについて、
年明け2月2日、3月22日開催予定のFOMCの会合で再々利上げの
可能性を示唆している。2005年中に米国の金利が年3.5%まで
上昇することが視界に入ってきたようだ。
2004年の米GDP成長率も原油高にもかかわらず4%台を確保する
見通しが出てきた。2005年も現在の成長の「巡航速度」を維持する
との見方が背景にあるようだ。
一方、NY為替市場は、ドルは1ドル=105.55円、1ユーロ=1.33ドルと
小幅上昇した。貿易赤字データが発表後ドルは一端売られたがFOMCの
発表をうけてあと急速にドルが買い戻された。
FOMCの利上げ前に10月の米貿易赤字が554億ドルと過去最高を
更新したと米商務省は発表した。マーケットはそれを無視した。
10月の貿易赤字増加分の半分以上を原油高が占めている。
原油相場が現実の問題としてその後急落している。10月の
貿易赤字は「過去のデータ」として受けとめられた。それが一方方向の
ドル安に歯止めをかけたようだ。
NY株が落ちつきを取り戻したこともドル相場の先行きにプラスに働く
可能性を示唆した。米国株が堅調に推移すれば海外への米国からの
資金逃避にもブレーキがかかるとの希望的ながら前向きの観測も
生まれてきた。
先行きの天候に雲に切れ目が出てきたのであろう。
米大統領選挙が終わって第1最大の不透明要因が取り除かれた。
第2に足もとの原油相場高騰であるが、一部イラクなど地勢学的
不安定によりきな臭さを残しながらもOPECの減産発表で逆に
値上げがピークアウトしたことで第2の不透明要因が取り除かれ
ようとしている。
第3の不透明要因とされる米国の雇用状勢であるが、10月に33万増、
11月に11万増で2003年の8月以降230万人増加したとの発表で、
米国経済の先行きに多少の安心感が出て来ているのかもしれない。
経済は心の持ち方一つで良くも悪くも変ることが多い。ひとつひとつ
ノドにささった骨が取り除かれることが相場にとって一番の良薬になる
のであろう。
過去最大の10月の米貿易赤字拡大も相場にショックを与えなかった
ことが何よりの証拠であることを示している。過去は過去であるが、
アメリカ人は目を将来に向けようとしている。
今回のFOMCの利上げ発表が全てではないが、なにかと批判の
多い米国であるが、まだまだ米国から日本人が学ぶことは多いようだ。
講釈はいらない。口先ばかりの国会討論を聞いていると日本という国の
行き先が心配でならない。(了)