ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

米利上げ、NY株堅調 (経済)       No304

2004-12-15 09:13:00 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表

 米FOMCは12月14日、会合を開き、政策目標金利を0.25%上げ
年2.25%とすると発表した。NYダウは、米企業の大型合併発表、
FOMCの声明文で米景気堅調持続を確認したとして38ドル上げ
10,676ドル、ハイテク株主体のナスダック総合指数も上昇、今年の
最高値を更新した。

 FOMC(公開市場委員会)の声明文によれば、①生産はおだやかに
上昇している、②労働市場は徐々に改善している、③インフレ率は
落ちついていると指摘した。

 エコノミストは、今後の利上げの可能性にについて、
年明け2月2日、3月22日開催予定のFOMCの会合で再々利上げの
可能性を示唆している。2005年中に米国の金利が年3.5%まで
上昇することが視界に入ってきたようだ。

 2004年の米GDP成長率も原油高にもかかわらず4%台を確保する
見通しが出てきた。2005年も現在の成長の「巡航速度」を維持する
との見方が背景にあるようだ。

 一方、NY為替市場は、ドルは1ドル=105.55円、1ユーロ=1.33ドルと
小幅上昇した。貿易赤字データが発表後ドルは一端売られたがFOMCの
発表をうけてあと急速にドルが買い戻された。

 FOMCの利上げ前に10月の米貿易赤字が554億ドルと過去最高を
更新したと米商務省は発表した。マーケットはそれを無視した。
10月の貿易赤字増加分の半分以上を原油高が占めている。

 原油相場が現実の問題としてその後急落している。10月の
貿易赤字は「過去のデータ」として受けとめられた。それが一方方向の
ドル安に歯止めをかけたようだ。

 NY株が落ちつきを取り戻したこともドル相場の先行きにプラスに働く
可能性を示唆した。米国株が堅調に推移すれば海外への米国からの
資金逃避にもブレーキがかかるとの希望的ながら前向きの観測も
生まれてきた。

 先行きの天候に雲に切れ目が出てきたのであろう。
米大統領選挙が終わって第1最大の不透明要因が取り除かれた。
第2に足もとの原油相場高騰であるが、一部イラクなど地勢学的
不安定によりきな臭さを残しながらもOPECの減産発表で逆に
値上げがピークアウトしたことで第2の不透明要因が取り除かれ
ようとしている。

 第3の不透明要因とされる米国の雇用状勢であるが、10月に33万増、
11月に11万増で2003年の8月以降230万人増加したとの発表で、
米国経済の先行きに多少の安心感が出て来ているのかもしれない。

 経済は心の持ち方一つで良くも悪くも変ることが多い。ひとつひとつ
ノドにささった骨が取り除かれることが相場にとって一番の良薬になる
のであろう。

 過去最大の10月の米貿易赤字拡大も相場にショックを与えなかった
ことが何よりの証拠であることを示している。過去は過去であるが、
アメリカ人は目を将来に向けようとしている。

 今回のFOMCの利上げ発表が全てではないが、なにかと批判の
多い米国であるが、まだまだ米国から日本人が学ぶことは多いようだ。

 講釈はいらない。口先ばかりの国会討論を聞いていると日本という国の
行き先が心配でならない。(了)


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和食と二人の若者         No298

2004-12-13 11:23:18 | スケッチ
Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3  C0071 1905E 
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)



 喫茶「いけだ」で二人の若者がひとしきり
野球の話をしたあとマンガ本に夢中になっていた
ところをスケッチした。

 彼等が店を出た後マスターに確かめたところ
始めての客だという。仕事の帰りだと話して
いたそうだ。

 「おはようございます。」、「いただきます」、
「ありがとうございます」と実に挨拶がしっかりしていた
とマスターが感心していた。

 体育系の人が最近電車の中で事件を起こして
話題を提供しているが、彼等には挨拶がしっかり出来、
礼儀正しいひとも結構多い。

 基本的な挨拶の出来ない若者が最近少なくなったと
よく言われる。 挨拶が出来さえすればどこの職場でも
飯を食って行けるとある会合で元貴闘力が先日話していた。

 子供のしつけをやかましく言う人がいるが、
大切なのは親のしつけの方ではないか。親が
しっかりしないで子供がしっかりする道理はない。

 二人の若者は和食をしっかり食べ、あとコーヒーを
注文していた。一人がタバコをすっていたのは
気になるが和食を注文していたのには感心した。(了)


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OPEC減産合意、原油相場急落歯止めねらう    No296

2004-12-11 15:36:28 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表
相場はそれに携わる人の心の鏡である。
相場の動きを見ているとその時々の人々の心の残像が
写し出されていて誠に興味深い。

OPEC(石油輸出国機構)が、エジプトカイロに集まり
年明け早々にも日量100万バレルの減産を実施すると
発表した。

原油相場は、10月につけたバレル55ドルを越える暴騰のあと
41ドルまで急落した。これ以上の値下がりはなんとしても
避けたいとの彼らの気持ちが減産合意へ向けてめずらしく
結束を固めさせたようだ。

11ケ国で構成するOPEC加盟国が減産に合意した
(イラクは減産協定に参加していない)。2005年2月から
OPEC生産の上限枠を日量2,700万バレルまで下げて
再スタートする。

IEA(エネルギー機構)の調べによれば、OPECは現在
日量3,000万バレルまで増産していた。公式の上限生産量は
2,800万バレルだから実質200万バレル近く増産していた
ことになる。

IEAは同じ日、イラクの11月の原油生産が前月対比日量
43万バレル減産となり180万バレルへ急減したと発表した。
イラクは減産協定には参加していないがパイプライン爆破が
続いており物流が思うように進んでいないようだ。

イラクは10月、日量175万バレル輸出したが、11月は
135万バレルへ輸出が減ったとIEAは発表した。

石油専門家の話によれば、OPECは何もしないで越年する
とさらなる相場下落に見まわれる。さりとて生産上限枠を
削減すると供給不安を煽り再び原油相場を急反発させる
リスクをかかえていた。

2700万バレルへ生産の上限枠を落すことによって上記
2つのリスクを回避出来るだろうと原油関係者は話している。

今回の原油相場急騰の一つの背景にはドル安が進み
ドル建て資産の目減りを少しでも回避したいとするOPECの
深刻な不安が隠されていたと見られる。

ドルは対ユーロで、ここ2年で35%も値下がりした。イラク戦争の
引き金の一つにイラクのフセイン元大統領が原油支払い通貨を
ドルからユーロへの切り替えを決断したことでアメリカを激怒
させたという話がまことしやかに伝えられる。

アメリカ人は日本人のようにこせこせ気にしない性格の
人が多い。しかし一端アメリカ人を怒らせると簡単に戦争にまでも
エスカレートさっせるところがある。

アメリカ人は足元を蚊が刺している程度ではぴくりとも動かない。
ところが、ひとたび咽元を食いちぎられそうになると、なりふり
構わず挑みかかってくるところがある。

あの9:11事件もそうだ。9:11攻撃でアメリカ人の心が一つに
なったという人が多い。パールハーバーも似たところがある。

話を為替に戻す。12月10日のNY為替相場で、ドルはここ3日
連続で値上りし、対ユーロでは9週間振りの高値をつけた。

ユーロは対ドルで、ここ1週間で1.7%値下がりしたドルは対円で
3%値上りした。対スイスフランで2.6%値上りした。英国ポンドは
対ドルで1.5%値下がりした。

ただこれで潮の目が変わったのかというと為替関係者の見方は
悲観的だ。12月10日の相場に投資家の心のひだまで垣間見せて
くれたから面白い。本気でドルの戻りを信用していないからだろう。

ユーロは前日の1ユーロ=1.3320ドルから一端1ユーロ=1.3141ドル
まで急落した。ふと我にかえったのであろう。すぐあと1ユーロ=1.3220ドル
へ戻して取引を終了した。

ドルは、対円でも似た動きをした。前日の1ドル=104.53円から
一端1ドル=106.19円まで突っかけたが、Wrong way(反対車線)
に入り込んだとでもおもったのか、1円近く下げたところで、
一転105.15円で取引を終了した。

原油相場はバレル40ドルをつっかけたところで「行司待った」が
入った。ドルは対円で1ドル=106円で一時停止。踝を返して
1ドル=105円へ戻した。

原油相場も為替相場もそれなりに居心地のいい場所を
探しているのであろう。

2005年が地球に住む63億人ひとひとりの普通の人間にとっても
居心地のいい年になって欲しい。(了)  


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西中島南方駅郵便局       No292

2004-12-10 22:07:49 | スケッチ
Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3  C0071 1905E 
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)




知り合いの店が大阪地下鉄御堂筋線の西中島南方駅
徒歩5分のところにある。その駅の名前をそのまま
とった郵便局が近くにある。

手前のテーブルではご婦人がなにやら書類に気ぜわしく
書き込んでいた。

カウンターに目をやると手荷物の発送の手続きだろうか
局員にあれこれ聞きながら書類に書き込んでいる、かなり
お年をめしたご婦人の姿が見えた。
その左の紳士は右手を後ポケットに突っ込んでいるが
果して入金だろうか。

ひとりひとりの後姿に大げさだが人生を想像しながらスケッチした。
郵政民営化がいま声高に叫ばれている。

郵便局は郵政公社と名前を変えた。ほとんど見るべき変化はない。
庶民ひとりひとりにとって民営化されたらどうなるのだろうか。
具体的中身が十分に知らされぬまま手の届かぬところで
既成路線として前へ前へと進められているようで怖い。(了)

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前方注意!!出発進行!!          No291

2004-12-10 21:47:33 | スケッチ
Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3  C0071 \1905E 
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)



神戸住吉から大阪までJR快速電車に乗ることが多い。
運転席のすぐ後に立てば展望が効いて20分たらずだが
あっと言う間に着いてしまう。窓越しだから言葉は
聞こえないが右手をなんども、なんども突き出しては
大声で叫んでいるようだ。”前方注意!!”とでも
言っているのであろうか。

ところで最近「迷惑行為」が頻々と発生する。仏さんには
それぞれの都合があるのだろうが大きくダイヤが乱れる。
昨年日本で自殺者数が3万4千と聞いた。せっかく
いただいた命である。大切にして欲しい。
そんなことを考えていたら気のせいか、運転手の声が、
「明日に希望をつないで”出発進行”」と聞こえた。(了)


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ドル安小休止、原油小反発    No289

2004-12-10 10:20:50 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表
ここ数日、ドル安の流れに微妙な変化が見られる。
12月9日、NY為替市場でユーロは、1ユーロ=1.3339ドルから
1.3314ドルへ値下がりした。円は、1ドル=104.07円から
104.52円へ値下がりした。

同じ日、NY原油先物市場で、軽質油WTI相場が、バレル53セント
上げ42.47ドルで取引された。高値43.20ドルまであった。
ドルはこの2年、対ユーロで35%値下がりした。特に対欧州通貨に
対する下げが目立つ。対英国ポンドではドルは12年来の安値をつけ、
対スイスフランでは有史来の安値を更新している。

ドル相場はこの先どうなりますかと尋ねるとほぼ全員が下げると
予測している。原油相場はどうですかと聞くと高値から20%下げたから
そろそろ下げ止まるという意見が多い。

相場の世界では今のドルのようにほとんどのひとが口をそろえて
下げるというときには相場に転機が訪れるという見方が結構ある。
今回はどうであろうか。

日本人はひとと違う意見をいうと仲間はずれにされることが多い。
日本以外ではひとはそれぞれ違う。見方もひとそれぞれであり、
見方が「違う」という点からスタートする。

「違う」意見のひとが歩み寄りして『妥協』が成立する。日本で
『妥協』するというと自らの立場を放棄すると受け取られる。だから
なかなか変更をしない。状況が変化していても皆『同じ』であれば
安心して動かない。おかしいとも思わない。
日本では見方が「同じ」という点からスタートするから、人と同じ
ことを言い、同じように行動しないと変わり者扱いされる。

その日本で、「サプライズ」ということばで先日流行語大賞を
受けた政治家がいた。官房長官に指名されたとき「驚天動地だ」
といった。日本では一般生活でもいわんや政治の世界でも
サプライズをいやがる。
相場の世界ではいくらいい材料が出てもサプライズがないと
相場が反応しないケースが多い。サプライズは相場の世界では
歓迎される。

ところで、ドル相場にサプライズはあるのだろうか。米国の双子の
赤字がドル売りの恰好の材料にされている。中国がドル資産を
減らしてきているという話もドル離れを刺激した。

最近はロシアも保有外貨の構成を見直すと発言した。
ロシアは外貨の70%以上をドルで保有しているという。
インドもドル資産を減らすらしいい。ドル安が進めば資産は目減りする。
目減りを恐れてドル以外の通貨へシフトしても責められない。

せっせとドル建て資産を増やしているのは日本だけだ。イラクに
駐留している外国の軍隊は日本だけという日も近いうちに来るかも
しれない。
日本という国は一端決めると変更することに必要以上に罪悪感をもつ
不思議な国民性が根強く息づいている。米国債券を買いつづける。
米国は日本という愛犬ポチがかわいくて仕方ないであろう。

話がそれた。ここへ来てなぜドル安が一休みしたのだろうか。
見方はさまざまだが、金利に着目して、ドルが買い直されると
見る専門家がいる。

FRB(米連邦準備制理事会)が年末に0.25%、さらに年明けに
0.25%利上げするとの見方を論拠としている。その一方で、
ECB(欧州中央銀行)やカナダ中央銀行はそれぞれ利上げを見送った。

ドル安が止まるとする論拠には、米国の利上げに加えて、
①イラク暫定政権がさしたる混乱なく成立する、②米国景気が堅調に
推移する、③原油相場が落ちついたことを並べている。

2005年の米国のGDPは、年3.5%は維持出きる。ところが欧州や
日本はせいぜい2%止まりである。米国の景気が3.5%以上になると
FRBはさらなる利上げを考えてもおかしくないとドル買いの可能性を
ふくらませている。

原油相場の方はどうか。中国の原油需要は衰えを見せていない。
直近の材料では週末開催予定のOPEC総会で、2005年年初からの
減産を取り決めるとの見方である。55ドルは高すぎる。しかし40
ドルを切っての値下がりは望まない。OPECの本心が丸見えだ。

原油もドルもあまりにも一方方向に(これをStampede と呼ぶ)急激に
下げ過ぎたことから来たあくまで小休止であろう。
人間の健康にも適度な休みは必要である。時に我にかえって
振りかえるゆとりが大切だろう。(了)

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神戸ワイワイ会         No286

2004-12-08 17:45:22 | スケッチ
Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3  C0071 \1905E 
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)



能登半島国定公園に和倉温泉がある。
金沢から車で約1時間20分能登有料道路を
左岸に日本海を眺めながら一本道で現地に着く。
ホテル「たな嘉」は内海に面しており対岸は
能登島。カモメがホテルの窓の前を飛び過ぎて行った。
四季それぞれで魚がおいしいといわれた。
「神戸ワイワイ会」は70歳前後の同好の氏
年金生活者の集まりで2ケ月一度温泉めぐりを
している結構な倶楽部である。
日本の今の老人は元気でさえあれば天国だ。(了)


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阪神芦屋駅から六甲を望む     No268

2004-12-04 13:16:46 | スケッチ
Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3  C0071 \1905E 
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)



。。。。。。

久しぶりに阪神芦屋駅から芦屋川越しに六甲を眺めた。
子供のころから見なれた懐かしい眺めである。
電車を下りて吸う空気がおいしい。
右手に教会の屋根が見える。その手前が
芦屋警察である。
有馬温泉行きのバスがとまっていた。
バスに乗れば奥池を経由して六甲の
トンネルを抜けると35分で温泉口に到着する。
川の中に遊歩道があるが、おあつらえ向きの
散歩道で愛好者が多い。

。。。。。。。。。。。。。

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11月米小売り軟調、NYダウ下げる       No266

2004-12-03 09:52:56 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表

 11月2日、NYダウは、原油相場が値下がりを続けたにも
かかわらず、米国の11月の小売り高が予想を下回ったことを
むしろ嫌気して、21ポイント下げ、10,568ドルで取引きを終了した。

 NY原油先物相場(WTI)はバレル2.24ドル下げ43.25ドルで取引きを
終了した。一時バレル42.50ドルまで下げた。ロンドン市場でも
ブレント先物相場がバレル2.81ドル下げ、39.50ドルで取引を
終了した。

 米国の原油在庫増を材料に弱気を流している。相場が下げに
転じると今年は暖冬になると追い討ちをかける。突然寒波が
来ればおそらく手の平をかえして強気を言い張るであろう。

 NYダウは、ウオルマートの11月販売の弱気予測を嫌気して
週明け値下がりした。ところが翌日、原油相場が大幅下落を
歓迎して大幅値上りした。

 それが昨日は原油相場が大幅値下がりしたにもかかわらず、
小売り不振を材料にして値下がりした。まるで「日替わり銘柄」
のように、自信なげにふらふらしている。

 ドル相場は、対ユーロで1ユーロ=1.3379ドル、対円で
101.88円まで下げたが、後戻してそれぞれ1ユーロ=1.3277ドル
1ドル=103.02円で取引を終了した。

 欧州、日本によるドル買い介入警戒感が相場を押し戻したと
為替専門家は話している。しかし、彼らも本心では為替介入が
巨額の双子の赤字を抱えた今の米ドルの置かれた環境を
変えられないことは分かった上で話している。

 米国の経済指標では、10月の米機械受注高が前月比0.5%増と
エコノミストの予測0.2%増を上回った。これはドルにプラス材料だ。
しかし、米労働省は、11月27日締めの失業保健申請件数が
25,000件増え349,000件と発表した。これはドル売り材料だ。

 ドル売りに多少ともブレーキをかけられるとすればそれは米国の
利上げである。12月のFOMC〔公開市場委員会〕でFRBが0.25%
再利上げして年2.25%を予測する向きは多い。

 ドルは対ユーロで、わずか2ケ月で10%以上値下がりした。
昨日、米国防総省が、在欧米軍の生活費補填のため
として31%予算を増やしたと発表したが米国人としては
身につまされる話であろう。

 欧州での米国の旅行客もドル安の悲哀をしみじみ味わっているに
違いない。100ドルが100ユーロだったのが現在は133ドル出さないと
100ユーロのホテルに泊まれないからだ。

 お金はからだで言えば血液のようなものだ。さらさらの血液が
血管の中をスムーズに流れてはじめて健康を維持できる。
しかし今の米国のようにどろどろの血液がからだの中を流れていると
どうしても米国経済の健康がおかしくなるであろう。

 ブッシュ政権になりテロ対策とイラク戦費にせっせとお金を
注ぎ込んだ。財政赤字が増えて自然である。米国は1日あたり
18億ドル海外から資金が入らないと財政はバランスしない。

 日本はじめアジアの中央銀行だけで米財務証券中心に
米資産を1.8兆ドル買って、つまり血液で言えば海外からの
輸血で、米国の財政がなんとか米国の財政が成り立っているに
過ぎない。

 今年10月の米国民の税引き後所得の0.2%が貯蓄に回された
そうだが、米国人が大量に世界の製品を買い続けてくれた結果が
巨額の貿易赤字である。中国からの輸入は米国全体の輸入の
13%を占めた。中国に対する為替政策変更要請も自然である。

 NYダウは、たまに走ってもすぐ息切れする。ドル相場も同じである。
株価も通貨も国の健康、血液の状態のバロメーターであるからだろう。
いずれ血液(お金)がよどみなく米国へ流れていけばドル相場も
NY株も値上りするであろう。

 米国が病気になればせっかく立ち直り始めた世界景気
の芽を摘んでしまう。欧州、日本、そして中国も一緒になって
米国の経済破綻を智慧を絞りみんなが我慢しながらどうしても
回避しなければならないであろう。

 米国は、ここしばらくは、海外からの資金(輸血)を
受けつつ、徐々に海外からの食事〔輸入〕を減らしながら、
健康を維持する道を選ぶであろう。世界全体にとって、
当面のドル安は、米国という巨大な市場が健康を取り
戻す過程での苦い薬かもしれない。

 相場の世界では申酉騒ぐというそうだ。申年の2004年は
終わる。酉年の2005年はなおひと波乱ふた波乱あっても
おかしくない。OECDも世界景気の回復は2006年からと
先日も発表した。

 2005年は正念場の年になりそうだ。(了)

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原油相場急落、NY株急反発     No264

2004-12-02 10:48:08 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表

 12月1日、NY原油先物WTI相場がバレル45.59ドルへ3.64ドル、
7.4%急落を受けて、NY株式市場は前日比164ポイント高と
急反発した。

 原油下落を受けて、暖房油もガソリン相場もつれて大幅に
下げた。

 NY株式市場はウオルマートの感謝祭(Thanksgiving)明けの
人の出足から11月の売上を下方修正したことを材料にNY株式市場は
値下がりしたが、昨日の原油急落で様変わりである。

 感謝祭明けのたった一日の出足で11月の予測をエコノミストは
下方修正した。それを見てNYダウが大きく下げる。NY株安を見て
日経ダウが連れ安する構図が相も変らず続いている。

 昨日今日のNY株の乱高下は、相場の世界というのはかくも慌しく
長期でものを見ていない世界であることを単純明快に教えてくれる。
今朝の日経ダウは、NY株高をみて上げるのであろうか。

 NY原油相場の急落の根拠は11月30日発表された米国原油在庫が
アナリストの予測の倍以上に増えたからである。予測が
外れるとあわてて売ったり買ったりする構図も相変わらず同じである。

 冬場を迎えて暖房用石油の需要は正に最盛期である。いつまた
在庫が減るかもしれない。その時は予想以上に少なかったと言っては
また原油相場の買い材料にするのであろう。

 世界最大の小売り企業、ウオルマートの業績が感謝祭明けの一日で
変るはずもないであろう。しかし一部のアナリストはウオルマートの客は
原油が上がれば可処分所得の分け前が燃料代やガソリン代に消えるから
と講釈をつけてウオルマート株の売り材料にしたのであろう。

 いずれにしろ、原油相場が2005年の景気絵動向を占う上での
キーワードであることには変りはない。

 OECD〔経済開発機構〕は、11月29日、2005年の世界の景気見通しを
原油相場高騰が続くとして下方修正した。

 2005年のユーロ圏12ケ国の景気見通しを5月に立てた予測の2.4%増
から1.9%増へ下方修正した。OECDは下方修正の理由に原油高騰と
ユーロ高を上げた。

 2005年の米国の景気見通しを当初見通しの3.7%増から3.3%増へ
下方修正した。日本については同じく2.8%から2.1%へ修正した。
一部のエコノミストによれば、OECDもIMFも当初の見通しが余りにも
楽観的に過ぎた。それを現実に合わせたに過ぎないと冷静である。

 日本では一端立てた見通しをなかなか変えない。日本人の気質が
そうさせるのであるが、状況が変れば見通しも変るのが当たり前であるが
日本という国ではこの当たり前のことがなかなか当たり前にならない。

 ところが日本という国は、OECDが修正したりアメリカが変更すると
平然と変える。そしてそのことを誰もとがめない。疑問にも思わない。
逆らうと変わり者にされるのが落ちである。

 企業でも同じである。役所の意見はどうかとか某大手研究所に
確かめたのかと部下を叱りつけてそれを上司の仕事にしている
御仁が非常に多い不思議な国である。

 話をOECDに戻す。レポートによればOECDは今回の下方修正の
根拠をここ数ケ月の原油高騰に置いたようだ。原油高が消費者や
経営者の信頼感にマイナスに働くと分析してている。

 原油相場は一時の高値バレル55ドルから下げたが中国などの
原油需要は根強く、その一方では、原油供給体制が需要の伸びに
追いつかないため高値安定が続くとの見通しである。

 OECDは、ロンドン市場での2005年のブレント原油相場を現在の
バレル45ドル並みの44ドルと予測している。ブレント原油相場は
2003年にはバレル27ドルであったが、30%値上りすると見て
2030年には35ドルと予測している。

 OECDは、原油先高の警戒感をなくしていない。この先原油相場が
値上りすれば2005年の米国、日本の景気見通しは半減すると予測している。
ユーロ圏では1.9%増が1.6%へ下がると予測している。

 余りに急激な原油高が一次的に景気にブレーキをかけた。だから
原油相場が値下がりをすれば米国、日本、ユーロ圏の景気は
2006年にかかえて穏やかに改善すると分析している。

 原油相場に加えてユーロ高がユーロ圏の景気のマイナス材料として
働くとOECDは指摘している。

 OECDは、米国の巨額の双子の赤字は、無限に続くものではないが、
少なくとも2006年まで続くと予測し、それがドル安を招き、ドル安から金利高
それがひては景気の足を引っ張るとドル安の世界景気に与えるマイナスの
影響を指摘している。

 OECDは、中国の景気見通しについて、2005年は年率8%増、2006年は
8.5%増とそれぞれ安定的に推移すると予測している。

 原油相場と為替相場が2005年も話題の中心を占めそうだ。(了)

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