初詣は生國魂神社に行きました
連載
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12月15日に治療院を上本町駅の近くに移転しました。
〒542-0062
住所 大阪市中央区上本町西5-2-8 ハイツ上町台201
電話 06-6765-7622
去年の7月から巨針での長時間置鍼臨床をしていました。
それは、巨鍼開発者の張雲飛先生は、脳卒中の患者さんに24時間置鍼を基本にしていたからで、私もチチハルから帰国した当初は、何とか24時間置鍼をできないものかと考えていたのですが、日本と中国では医療体制に大きな違いがあり断念していました。
巨鍼療法を始めて27年の月日は流れたのですが、その経験の中から、張雲飛先生とは別の方法で巨鍼の長時間置鍼を思い付いたのです。
そして8月の臨床実践塾で初めて長時間置鍼の方法を公開解説し、9月からは私が考えた巨鍼の長時間置鍼を私自身の体で試していました。
長時間置鍼治療のできる人の条件(体質・性格・嗜好品)、経絡バランス(五臓六腑の調和)、ドーゼ(1回の治療での適切な刺激量)、進鍼方法(鍼を進める方向・距離)、置鍼方法(鍼の固定)、置鍼の時間などが主な課題でした。
それに伴い、脳卒中の予防と治療に役立つ「食」の検討も平行して考え、毎日自分の血圧を測りながら、考えた食を実行し、治療効果を検討し、再び考え、再び実行してきました。
その中には、リハビリ病院での患者さんからの情報や、理学療法士、作業療法士の手法などを観察しながら、「鍼灸ならどうすればいいのか?」ということも考えてきました。
※最大血圧(収縮期血圧)は、心臓が収縮して血液をギューッと押し出す時の血圧で、最小血圧(拡張期血圧)は心臓の緊張が緩んで休んだ状態のときの血圧ですが、最小血圧は動脈硬化(生活習慣)と関係してくるので、脳卒中の予防や治療には注目する数値になります。最小血圧が80以上であれば、動脈硬化が進行していると考えられており、血管障害の危険性があると考えます。
そのように、自分への置鍼実験や、食べ物などを考えながら、「脳卒中の患者さんを治療するには、どのような方法が最速で、どのような方法が効果的であるのかを改めて検討してきました。
そして「巨鍼療法」の具体的な方法や「食」の問題が、だんだん解けてきました。
解けてきたというより、これまでの経験に自信がついてきたと言ったほうがいいかも知れません。
そして、治療や食事だけの問題ではなく、他にも大きな問題があることがわかってきました。
それは、その実験をしている時に、治療院と住居の移転も計画して実行に移したときでした。
たまたま年末でもありましたので、お歳暮の発送や受取(移転途中なので)、年賀状の文面から送り先の選別、賃貸ビルの修復工事の見積もり・打ち合わせと目が回る暇もないほどの忙しさでした。
特に困ったのが、送られてきた宅急便の受取で、金・土以外は留守になるので、時間を合わせて在宅しておかなければ受け取れない。
受け取らないと返送されてしまうので、何とか受け取らなければならない。
体は一つしかないので、ほんとに困った!!!
いろいろ考えるのに忙しい!
移転が間に合うか不安!
早くしなければと焦る!
他人の行為を疑う!
段取りの不安で眠れない!
そのような生活をしていたら強い「脳疲労」を感じました。
このような精神状態にある時は、(私もそうですが)血圧が高くなる人が多いのです。
※私の場合は高いと言っても最小血圧が80mmHg以上になることは殆どありませんし、最大血圧が140mmHgを超えることはありません。
それで、これまでの脳卒中後遺症の治療経験からしますと、
① 鍼灸治療
② 食事内容
③ 精神状態
の上記①②③の3つの角度から考えたほうがいいようです。
この3つの角度を中心に、治療効果の現れやすい患者さんと、治療効果の現れにくい患者さんの比較をしてみると、興味深いことがありました。
脳のどの部分が詰まったのか切れたのかによっても違いますが、答から言いますと、治療効果の現れにくい患者さんは「魔法を求めている」場合が多いようで、治療効果の現れやすい患者さんは「地道に努力」しているようです。
具体的に言いますと、「治療計画に従って治療を受ける」「食べないほうがいいという食物を食べない」「平穏な生活を送っている」等々の方は、治療効果が早く現れます。
つまり、他の病気に比べて、脳卒中後遺症の治療は、特にこの3つの角度を注視しながら治療にかかったほうがいいということです。
この連載の最初に
「脳疲労の問題」を取り上げたのも理由の一つなのですが、要は患者さんにも「自分の体は自分で治す」という努力をしてもらう必要があると考えるわけです。
奇跡が起こるのは、努力している人に起るようですので、奇跡を求めるなら自身の努力も必要と考えるわけです。
それは事業で奇跡が起こるのも一緒です。
一朝一夕なんてほとんどなく、基礎があり、長い下積みがあって奇跡のような発展があるのです。
自分でも努力するようにすれば、行ったり来たり(良くなったり悪くなったり)せずに、回復に向かう路が開かれてくるわけです。
病院でも、努力する患者さんには力を入れて治療しますが、「治療は医師や担当の療法士がしてくれる」と考えている患者さんには力を入れてくれないのです。
何故ですか?
医師も療法士もいい結果を出すために勉強や研究をし、いい結果を出すことが目的だからです。
仕事を通じて、社会へ還元することが心からの喜びになり、生きた証になるからです。