『よい』とは、「かたまじめな善」のことではありません。
生き生きとしていること、輝いていること、しなやかなこと、みずみずしいこと、溌剌(は
つらつ)としていること、高揚感(こうようかん)のあること、自由なこと、愉快なこと、・・・
を指します。
こうした『よい』は、「エロース」にもと基(もと)づくものであり、「アガペー」からは出てき
ません。
神への愛という飛躍(ひやく)=「反自然」ではなく、具体的経験=生活世界の只中
(ただなか)に「真善美」を見ようとする繊細にして強靭(きょうじん)な心=健康で人間
性豊かな心がつくりだすものです。
武田康弘