1955年と1959年の超古い演奏を紹介するのは、少し気がひけますが、この剛毅な力に溢れ、しかも人間味豊かな音楽は、現代では得難いものですので、お薦めします。
50年以上前の最初期のステレオ録音ですが、CD化に際して新しい手法が取り入れられているようで、かなりよい音です。
交響曲4番は、ミンシュ特有の艶やかで大きな音楽です。腰の据わった一筆書きの演奏は、現代の演奏家には求めようのない剛毅なもの。
わたしの最も敬愛するヴァイオリニストであるシェリングが弾ヴァイオリン協奏曲は、男性的でありながらチャーミング。繊細かつ強靭、「粋」な演奏に魅了されます。
いまさらチャイコフスキーなんて、という方にもお薦めです。
武田康弘