思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

試されているのは「アメリカの良心」-普天間基地問題

2010-05-08 | 社会批評

世界一危険な場所にある普天間基地、何十年間もここで訓練訓練を続けるアメリカ政府と軍は、北朝鮮など他国の人権侵害を批判することができるのでしょうか。

人口密度の高い沖縄にこれほどの基地を置き(本島の20パーセントの面積がアメリカ軍基地)軍事訓練を続けることが正当化できる理由はなんでしょうか。

これは、日米の関係性という問題のレベルを超えています。沖縄の人々への「蔑視」と「差別」がなければ、このような事態にはならなかったはずです。もしもアメリカで、こうした人口密集地に軍事基地をつくり訓練したら、どうなるでしょうか?抑止力のために我慢すべきとアメリカ政府は住民に説明するのでしょうか。否ですよね。

これは、人間の最低限度の生活を保障するという基本的人権の問題なのであり、アメリカ政府と軍は、自ら率先して軍事基地を安全性が高く、住民の賛成が得られる場所(積極的に誘致をしているテニアンやグアム)に移転すべきなのです。この問題の本質は、誰のため・何のための軍隊かという点にあります。試されているのは、「アメリカの良心」なのだと言えます。

アメリカ政府は、民主主義国としての基本、人権侵害をやめなければいけません。

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コメント

国連の勧告 (Cmoon)
2010-05-09 14:22:42
狭い沖縄に米軍基地が集中している現状――日本の国土の6%に過ぎない沖縄に在日米軍基地の総面積の75%が存在する現状。県の面積の20%を占めている現状――と基地がもたらす県民へのさまざまな被害に対し、国連人権委特別報告者が調査し、06年国連人権理事会で差別だと報告しています。

◇「基地集中は差別」 国連人権委特別報告者 政府に是正再勧告
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-13696-storytopic-1.html

こうした事実は、中央のメディアでは大きく取り上げませんね。だから知らないのではなく、感じてほしいです。
状況を知ることで、どんな苦難を日常的に沖縄の人たちが味わっているか、想像できるし、感じることはできるはずです。
日米関係や軍事的な問題、国際関係といった難しい話ではなく、人権というもっとも良心にこだまする、人間的な、根源的なところにある原点の問題ですから。仰るように問題の本質です。

そして仰るように「試されるアメリカの良心」。同時に「本土の人たちの良心」も試されていると思います。
また、罪深いのは、外務、防衛官僚の言いなりになってしまった閣僚と政治家。県内案をかつて約束した自民党。関係省庁の官僚と大手マスメディア。
そして何といっても、軍産共同体に与するアメリカ政府。
戦争を仕掛ける国に、国内向け人権はもとより、他国の人権などほとんど考慮の対象になっていないのでしょう。

川内議員を代表とする超党派議員団が、グアム、テニアンに向かいました。
まだ、与党は海外移設を諦めたわけではありません。
こうした姿勢と活動を支えるのも私たちの役割です。
私たちにできることは、たくさんあります。沖縄の人たちとの共鳴、共振、共感することです。そして、どんなところでもいい。身近なところで声を上げることが大切ですね。みんなで何とかしなくては!

タケセンさんの、いつも鋭い見解と指摘に共感します。

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C-moon さん

いつも具体に沿った情報と的確なコメント、大変に感謝です。

国連の人権部会もアメリカ政府への勧告をぜひやってほしいと思っています。
われわれ市民も沖縄の海人との連帯を強めなければいけないと思います。

1969年、わたしは自治会長をしていた高校3年生のとき、学園祭で「沖縄・安保問題」を取り上げ、70年沖縄返還にまつわる米軍基地の問題=当時の佐藤栄作政権の欺瞞性・ウソを批判する資料展示と解説をしました。沖縄の核兵器付き米軍基地の固定化と引き換えの返還は、日米軍事同盟をより強固にする偏った外交にしかならず、沖縄の願いを裏切るものであり、本土の日本人のアメリカへの従属的意識を強めるだけであると。反米でも親米でもない【第三の道】を訴えての学園祭でしたが、今もなお正当な考えだと思っています。


タケセン=武田康弘







コメント (1)
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