「巨人・大鵬・卵焼き」
通産省に出入りしていた新聞記者たちが、官僚だった堺屋太一さんの言葉を広めたのですが、大鵬はそれを不愉快に思っていた、と東京新聞は20日に一面で紹介していました。
金の力で有力選手を集める「巨人軍」が強いのは当たり前、自分は貧乏どん底からの一人、同じにされるのは不愉快。との大鵬の言葉=反骨精神は、見習うべきものと思います。
今朝の東京新聞には、昨夜の通夜での王貞治さんの言葉が紹介されています。
「巨人、大鵬、卵焼きと言われたが、あなただけが個人。いかに偉大だったか」と讃え、
自分と同じ1940年生まれのゴルフのジャク・二クラウスさんと合わせて「ひそかに自分の中で『大鵬、二クラウス、王貞治』と思っていた」と明かした。と書かれています。
「私」からの出発、個人の自由と責任、いまも過去もわが日本に一番欠けているものは、この思想=精神だと思います。一人ひとりの「主観性」を豊かにする努力こそが何より求められます。誰でもが例外なく個性をもった個人です。日本的集団主義は、人間的輝き・悦び・魅力を消去してしまいます。
武田康弘