思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

「心を一つにする」ことの恐しさー映画『アレクサンドリア』

2013-04-14 | 恋知(哲学)

アレクサンドリア [Blu-ray]

みなが同じ「神」を信じることの恐さと愚かさ
「国民」がひとつになることの恐さと愚かさ
がよく分かる映画です。

 『君が代』を歌わない人は「非国民」-教師失格者という類の言動がいかに野蛮で愚かなものであるかが分かる映画です。
自民党右派や維新の会に集う政治家たちが、どれほど危険な思想の持ち主かが分かる映画です。
心を一つにすることは不可能ですが、不可能を求めれば、何が起きるかが分かる映画です。

キリスト教徒になることを拒む天文学者である主人公(実在した女性・ヒュパティア)は、
「神に従わないのなら何に従うのか。」という詰問に、
「わたしは、哲学に従います。」と明瞭に応えます。
古代において哲学とは、理性的な思考の全体をさす言葉です。何かを、誰かを信じ込むのではなく、何が真実かを探求し思考する心と頭の働きです。

戦前の日本では、天皇に従うという宗教(天皇教・靖国神社・国体思想)を求められたわけですが、従わない者は、多くが迫害を受け、殺されました。
現代でもなお、「日本人ならば天皇制を支持すべき」という思想が言われることがあります。安倍首相は、教育で「日本は天皇を中心とする国」であることを子供たちに教えようと考えています。

わたしは、ヒュパティアと同じく
「天皇制・国体思想・日本主義」には従わず、恋知(哲学)に従う人間です。
人権を否定する学者(安倍首相のブレーン・八木秀次)が教育再生委員に選ばれていますので、自民党右派と維新の会が国会で多数を占めれば、何が起きるか分かりませんが、政治レベルで何が起きようとも、
わたしは、理性と豊かな人間性をもつ恋知者であり続けたいと思います。
「集団同調」ほど愚かで危険な思想はありません。

武田康弘

 

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