日本政府は、
「われわれは、人権という思想に怯える必要はない。日本は天皇陛下を中心とした国であり、欧米が生んだ「人権」思想に従うのは間違いで、日本人は、国民の常識に戻るべきである。」と主張する八木秀次という高崎経済大学教授を、政府の教育再生委員にしています。
彼の親友、安倍首相の肝入りによります。
国連をはじめ世界各国からは、100パーセント認められない思想ですが、安倍首相は、祖父の岸信介元首相の意思(本音)を踏まえて、戦争の加害者責任に言及せず、謝罪と反省の言葉も削除してしまいました。これは、彼を熱烈に支持し続ける『靖国神社』の主張=「すべての日本の戦争は、天皇陛下の軍隊・皇軍による祖国防衛戦であり、聖戦である」によるものです。
この安倍首相の思想は、八木秀次の「反人権宣言」(ちくま新書)と「明治憲法の思想」(PHP新書)に依拠しています。
ここまできたからには、安倍首相には、国連の場で、堂々と自己の信念を主張して頂きたい。
いうまでもなく、国体思想=靖国思想は、【個人】の対等と自由を前提とする「社会契約論」(人民主権)に基づく人権と民主主義思想に反し、現代の人類社会では認められません。
日本主義(=靖国思想)の異常性が、世界に知れ渡るのは間違いありません。
なお、詳しくは、わたしの拙論「天皇制ってなんだろう」をご覧ください。
武田康弘(参議院行政監視委員会調査室・客員調査員ー2009~2010)