思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

『日本人のための憲法原論』 ー自分の頭で「哲学」を生み出す力の弱い小室直樹さん。

2014-02-19 | 恋知(哲学)

 優れた書と評判でしたので、 『日本人のための憲法原論』(小室直樹著・集英社刊)を読みました。

 一般の大学教授とは次元を異にする明快な論法で感心しました。わたしの見方とダブる点も多く、共感しつつ読み進めましたが、最後の「つまずき」を見て、、うーん、やはり、「物書き」!旧態の概念に縛られてしまい、新たな発想や原理的思想を生み出すことができない。その点、残念だなと思いました。

 彼の意見は次のようなものです。

「現代の日本は、天皇が『人間宣言』をしたために、何が正しいか、悪いかを決めてくれる権威を失って、金だけが尺度になってしまった。今や、子どもたちはモラルを完全に失ってしまった。このようなアノミーを作り出した原因を遡れば、すべて新憲法に行き着く。占領軍は、伊藤博文がせっかく『憲法の機軸』として導入した天皇教を取り除くことで、「自由」も「平等」も非常にいびつなものにしてしまったのだ。平等も自由も『神の前の』が必要で、それが日本では『天皇の前の』だったのに。」

 小室さん、いつまでも古い常識にとらわれていては人類の生活・思想は、前に進みません。「絶対神」を措定しなければ、個人の自由と平等を柱とする人権思想、民主主義思想は成立しないと考えるのは、弱い思想としか言えないでしょう。

 絶対性と世俗性、普遍性の関係についてここで細論することはできませんので、わたしの書いた 「恋知」第二章「恋知とはなにか」 をぜひ、ご覧ください。

 

武田康弘

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ジェリー・リー・ルイスは「神話」上の人物のごとし。ロックのイデア。

2014-02-19 | 趣味

 この二か月ほど、ジェリー・リー・ルイスのCDやDVDをいろいろと聴き観てきたが、彼は誰とも似ていない。

 プレスリーやビートルズが忘れ去られることがあったとしても、彼は忘れられないだろう、というよりも、彼は人間の普遍的な情動と律動を新しい音楽として生み出したという意味で天才であり、その行為と併せて「神話」上の人物と評するしかないと思う。

 彼の死後、彼の音楽は普遍的という意味で「クラシック」として残る、わたしにはそう思われる。モーツァルトがロココ風の音楽の原型=イデアをつくったのと同じく、ジェリ・リーは、ロック風の音楽の原型=イデアをつくったのだ。作曲はさほど多くないが、編曲して歌い奏するパフォーマンスの強靭さは呆れかえるほど。まるで、ロック風音楽のイデアそのものが立ち現れる現場に居合わせるかのよう。奇跡のような神話的世界の現出!

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☆彡写真は54才時

 武田康弘

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