文字通りの革命と言える。
とんでもないレヴェルの弱音から、もの凄い厚みの強奏までダイナミックレンジの広さと躍動感は、ウィーンフィルにもベルリンフィルにもない美質。
ファッと浮き上がる音と沈み込む音の凄味。...
全身に鳥肌が立ち、熱が出る。
異次元の音楽で、通常の批評をしても意味がない。従来のオケとは別もので、再現芸術のクラシックの世界を超えている。曲がいま、新たにこの場でつくられたように聞こえ、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、自分が何を聴いているのかさえ分からなくなる。現代曲のようでもあり、ジャンルを超えた音楽のようでもある。超がつくほど音が生きている。細かく分析的に批評しても意味がない。
チャイコフスキーの交響曲4番は、今まで聴いたことのない強烈なまでの迫力をもつが、品位が高く、音は汚れない。いつまでもこの音楽の中にいたいと思った。自発性に富み、自由に羽ばたく音は、従来のオケにはない。ドイツ・カンマーフィルに近いが、うねるような柔軟性と音量の大きさには茫然としてしまう。粗削りな個所がある、という批判は可能だが、それは、彼らの主張・自由な音楽のつくり方が理解できない証拠だ。
コパチンスカヤのアンコールは3曲、
オケのアンコールは、なんと幻想序曲「ロメオとジュリエット」全曲で、明後日のサントリーホールでの演目の一つ。
これまたとんでもないレベルの演奏で、もう感動で頭も心身も満杯の大満足。古代アテネからの使者・クルレンツィスとムジカエテルナとコパチンスカヤ、世界中で革命を起こして、大騒ぎなのは当然だ。なんとも言い難い「夢のような時間」を過ごした。
組織人、団体人、国家主義者、「常識人」、既成秩序に囚われた人は、否定しないと自分がなくなってしまうと感じる彼らの音楽=存在でしょうが(笑)、聴衆の歓呼は、日本人を含む人間に希望を与えます。
感謝、ただ感謝あるのみ。
演奏後、なんとサイン会。おそらくホール始まっていらいの長蛇の列で、建物の最上階まで人がビッシリ。諦めた。いったいどのくらい時間がかかるのか。クルレンツィスもコパチンスカヤもスサマジイばかりの超絶演奏の後、全員にサイン!恐れ入る。
(以上は、昨日のfbをコピーしたものです)
武田康弘