(写真は毎日新聞より)
かねてから、安倍晋三が最も望み、憲法改定の目玉中の目玉と考えていたのが、非常事態条項の新設ですが、
彼は、新型コロナウイルスによる肺炎の流行を、この望みをかなえる最高のチャンス!と捉え、小・中・高の全国一律の休校という前代未聞の要請をだしました。他に相談せずに一人で決めたのは、まさに首相一人で出来る非常事態宣言の予行練習として、「正しい」!決断でした。
エリート政治家にとって、国家主義=愛国教育(日本の場合は天皇教=元号教を国民に染み渡らせることで実現できる)に基づく政治以上の望みはありません。
なにかもっともらしい理由をつけて、全権を首相が掌握できれば(非常事態条項を立法化する=かつてヒトラーが全権を掌握した手法)、事は思うがまま。なんでもできます。非常事態法を発令するぞ!というゼスチャーを見せれば、みな何もできなくなります。首相に従うのは当然で、反対者は和を乱すもの(非国民)となります。また、その条項があるだけでも、首相の意向に従うのを当然とする意識をつくりだします。
それにしても、さすがの安倍首相です。この機を逃さす、こどもたちのため(こどもへの感染はとても少ないく30代以下の死者は一人もいない)という言い訳により、非常事態条項がない今、「要請」という形で非常事態をつくりだし、国民を慣らす。その後でいよいよ憲法改正の目だま=非常事態条項の新設に向かう、よく考えられた戦略です。さすがの安倍首相です。
主権者は私、という意識に乏しい国(哲学なしー精神的自立の弱い国民)では、案外簡単にこれが通る可能性があります。まだまだ日本とはそういうレベルの国なのかもしれません。どうしますか、若者たち。 じじいの私は、民主制=民主政=民主性を前進させるために頑張り続けます。古代の実存思想(ソクラテス・ブッダ・老子)に学びつつ、恋知(ほんらいのフィロソフィー・Love of thinking)という発想と態度により。
武田康弘(元参議院行政監視委員会調査室客員調査員=哲学と日本国憲法の哲学的土台を国会所属の官僚に講義)