
山中峯太郎の『敵中横断三百里』は読んでないが、映画は以前みた。日露戦争ものである。確か脚本が黒澤明だ。ナポレオンも
この映画を評価するとすれば、以上のような考え方をするしかない。
そのエピソードとは何か?
斥候が敵中を馬賊などに助けられながら、そして仲間を失いながら、命からがら陣中に帰ってくること、ではない。
馬が乗る人を失って(露西亜軍に撃たれたんだが)も、荒野の中を日本軍の兵隊を捜して追いかけてきたことである。更に言えば、その馬が死んだ兵隊の手袋をくっつけてきたことである。
つまり、エピソードの中心は、馬と手袋である。繰り返す、日露戦争の価値は、馬と手袋である。