★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

「もらっといてやる」考

2012-01-19 23:42:31 | 文学
田中慎弥氏がやっと芥川賞をとった。円城塔氏も一緒にとった。

田中氏の小説は、以前一つ読んだだけだが、内容を思い出せない。円城氏の方はいくつか読んだ……が、いくつかのフレーズは思い出せるが、内容は思い出せない。たぶん円城氏の方が本格的なヘンタイ的作家だと思う。それは小林多喜二や川端康成より横光利一の方がヘンタイであるという意味合いにおいてである。

田中氏の受賞インタビューが一部で話題となっているようである。

http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/800/106738.html

確かシャーリーマクレーンだったと思いますが、アカデミー賞の候補に何度もなって、最後にもらったときに「私がもらって当然だと思う」って言ったそうですが、まあだいたいそういう感じです。4回も落っことされた後ですから、ここらで、断ってやるのが礼儀だと思いますが、私は礼儀を知らないので。もし断ったと聞いて、気の小さい選考委員が倒れたりなんかしたら都政が混乱しますんで。都知事閣下と東京都民各位のためにもらっといてやる。あの、とっとと終わりましょう。

石原慎太郎が芥川賞の選考委員をまだやっていたとはしらなかったが、パフォーマンスはパフォーマンスを呼ぶ、演技に対する反発は演技的になる、というかなんというか、厭な世の中である。もっとも、新聞記者ももっと面白い質問はできないものであろうか。受賞の時の気持ちとか、誰に受賞を知らせたかとか、恩師から喜びの声が上がってますがとか、文学者をなめ腐った質問は、どうみても受賞者に喧嘩を売っているとしか思えん。文学者が「母親に感謝してます」とか「故郷や恩師に感謝してます」とか言うわけないだろう。×おかしいんじゃないか?

ただ、私は、こういうレベルの低い質問に対しては、母親や恩師の定義からやり直し文学者としてきちんと人民を啓蒙すべきであって(笑)、わざわざわかりやすく反発し「といてやる」必要はないと思う。

日常生活レベルでも、ワークシートに従ってしゃべってるんじゃないかという小役人みたいな人間が増えてきてる気がして本当に厭である。いつまでこういう輩にぺこぺこしていなければならないのか?

螺旋人生

2012-01-17 23:19:11 | 思想


人の一生というのは、上のような漏斗のような螺旋階段みたいなものではあるまいか。時間感覚もそんなかんじである。はじめはゆったりと長くどこに向かっているか分からないが、だんだんと自分の降りてきた階段しか見えなくなるし、カープもきつくなって時間も短く感じられる。

その二つである

2012-01-16 11:01:56 | 思想
世の中にはやめた方がいいものが多々あるが、成人式とセンター入試はその二つである。(←変な言い方になってしまったわw

まず、成人式であるが、いまや「荒れる成人式」というマスコミ発の定例行事となってしまっており、世の自称「良識ある大人」が「あーいまの若者が~」といって私怨をぶちまけ溜飲をさげるだけの行事である。あと、ある業界の儲けのためだけの行事である。あるいは、20まではわがままが許される、あるいは20以降は好き勝ってやれると思ってしまう馬鹿を量産する行事である。私の場合、幼稚園から高校まで同じ地元のメンバーに付き合わされた結果、ほとほとそいつらと調子を合わせることに疲れ果てていた、また実家からはやいこと逃げ出さなければ、本当に「潰されてしまう」と思っていたので、まったく成人式には行く気なしであり、実際に行ってない。また、票田稼ぎの政治家のくだらん演説を聴いた日にゃ、私だって、演壇の人間に何かを投げたくなるに違いない。無論、演壇の人間とその演説をぺちゃくちゃ喋りながらきいていない人間が、これまたうり二つなのだ。こいつらは完全に同類である。「荒れる成人式」の発端となった沖縄であるが、私が沖縄のタクシーの運ちゃんに詳しく聞いたところによると、あれは、島同士の複雑な関係が絡んでいそう……だということだ。

次にセンター試験であるが、これは確実に日本人を平均的な馬鹿にしよう、あるいは東大に「その微妙な受験秀才」+「本当に優秀な人間」を集めて、中央集権化を図ろうとする陰謀であろう。共通一次以降、本当の受験競争は行われていない。行われているのは、あるマニュアルを飲み込むだけの、邪念がない状態をつくりだすための集団訓練である。私は国語の問題しかわからんが、ものすごくがんばって作っている問題のわりには、受験生の本当の力量は絶対に分からないような試験になっている。だいたいのところは分かるが、決定的に能力が判明するポイントポイントは絶対に分からないのである。即刻やめた方がいい。英語のリスニングについてであるが、これもやっている意味がわからない。日本人が英語が苦手なのは、リスニング能力の問題じゃない。あと、これだけ大規模な試験となれば、試験運営上ミスが出てきて当然である。ミスが生じるのは、大規模だから公平な運営をしようと思ってあまりにもやり方がマニュアル化しているからである。マニュアルが不十分だからではない。逆である。試験場の学生も試験官も、すべての行動が厳しく決まっている。だから逆にまったくものを考えられないのである。そうなると9割の人間は正しくそれを遂行できるであろうが、1割は「考えていない」がためにミスを犯す。

羊はあるていど存在してもいいかも知れないが、全員羊になったらどうするのか?

おーばーざれいんぼー

2012-01-10 07:42:28 | 映画


授業が再開されるのでやけくそ映画鑑賞である。「虹の女神」である。

「僕って何」以降なのか、何以降なのかわからないが、自分がなんなのか分からんのが結論で、それが決まって相手に翻弄されたあげくの結論のストーリー──しかもそれが恋愛ものであることが多くなったのは何故なのかわからんが……。女は動物、男は理性とかいっていた輩が貧しい経験を元に苦悩している時代よりは、ある意味でかなりましなのであろう。相も変わらず「絆」がなんとか言っている連中が、だいたい権力志向なのはほっとくとして、我々が、我々を縛っている人間関係そのものの実態が何であるのか、時間をかけて探ろうとしていることは確かであろう。

その意味で、主人公の24歳の男子が、同棲していた女性が26歳ではなく34歳であったことに気がついて、いきなり「でていけ」と追い出したり、キューピット役を頼む女性に指輪状に折った一万円札を渡したりするのは、おかしかった。年齢と金。自分に気があるのに気がついておきながら、無碍に「夢を追え」と相手の女をけしかけたり、かとおもえば「結婚してみる?」と軽く言ってみたり、と。自分の欲望の転嫁。……ここまで、ある種の男のエゴを赤裸々に描き出している映画はあまり観たことがなかったw

しかし、この映画があまりヒットしなかった理由もわかるような気がする。我々が置かれている状況は、何らかの防御策を講じなければ、精神の自由すらなくなるような状況なのである。主人公の女の子が大学時代につくった「世界の終わり」という自主映画は、世界が終わる7日間を描いていて、──それが本当は語り手の女の子の命が終わる際の妄想だったとかいうオチを持っていたが、最近の若い世代は、このようなオチにあまり感激しないのではないか。無論、このオチは、物語全体の構造上非常に重要であって、自主映画と現実が照応することで、現実の死が昇華されてしまうのである。乱暴に言えば、メタフィクションやら枠小説やらは自意識過剰の現れだが、そんな過剰さは生か死かという問題がやってきたときにはよほど強い精神がないかぎり維持できない。我々は、もっと現実的な死、絶対的に浪漫化された死を願っているのではないか。そんな気がする。問題は、それが自由への強迫でもあるという点である。

回想──××××を訪ねて3──帰る

2012-01-09 18:07:46 | 文学

鹿児島市内にも灰が降り積もっていたことが判明


大正天皇の結婚記念でつくられたとかいう元公会堂、現中央公民館。


西郷像を瞥見する。


西郷隆盛は、5メートルもあったのか!


鹿児島近代文学館におじゃまする。

林芙美子や梅崎春生、島尾敏雄など、わたくしの思い入れがある作家が沢山祀られていた。


しかし、父親が鹿児島出だというだけの有島武郎がいるのに、七高中退の花田×輝とか中村正常が祀られていないとはどういうことであろうか。



美術館は館前の彫刻だけで済ます
  


市内から夕焼けの桜島を瞥見。


鹿児島のラーメンを掻き込む


新幹線に飛び乗る。鹿児島さようなら。こんにちは、うどん県。

回想──梅××生を訪ねて3──かごしま水族館

2012-01-09 17:45:23 | 文学
桜島観光は大人用。したがって子どもは鹿児島に帰ってきてかなり欲求不満であろう。ということで、フェリー乗り場には「かごしま水族館」が隣接している。

動物園とか水族館と聞くと自動的に財布を開いてしまうわたくし。

不気味な影が……


怖いです。横で小学生が「かわいー」と叫んでました。語彙力増やせ馬鹿者が。


魚拓かと思ったら生きてた。


かわいー


かわいー


電気鰻かわいー


まあ馬鹿と腰巾着というのはどこにでもいるものであります。

 
か、かわいい

 
イカの泳ぐ姿はかなりかっこよいということが判明した。


萌え系並の眼のでかさ

 
まあ群れる奴というのはどこにでもいるものであります


タツノオトシゴ


エスカレーター


ヌイグルミ


ヒト

わたくしの人生の法則からして、だいたいこういう時に限って

イルカショー終わってたQTL


今日ものんびり生きて行こう